3) 天然記念物「赤井谷地沼野植物群落」の保護対策
国指定天然記念物「赤井谷地沼野植物群落」は寒地性植
物の群落として学術的にも貴重な存在であり、これを将来
にわたり保護するため、周辺地で計画されている各種保護
及び開発事業の調整を図ることとして、庁内関係課から成
る保護対策会議を設置し、保護対策の検討及び現地調査を
実施した。
4) 特別天然記念物尾瀬総合学術調査
特別天然記念物「尾瀬」の自然と環境を将来にわたり保
護するとともに今後の適正な利用方策を提言するための調
査研究を実施することとして、平成5年度においては調査
の計画準備機関として、研究者グループによる
「尾瀬総合学術調査計画検討委員会」を設置し、調査研究
の実践に向けての意見交換及び討議を行った。
なお、この調査は平成4年8月開催の「尾瀬サミット」
の合意事項により、三県共同事業として実施する。
5) 文化財指定調査
歴史上、芸術上又は学術上価値の高い文化財の中から重
要なものを選定し、指定のための調査を行った。
なお、県文化財保護審議会の答申に基づき、平成6年3
月31日付けをもって、次の文化財を県指定重要文化財等と
して指定及び指定解除した。
ア 平成5年度指定重要文化財等
種別 名称 員数 所在の場所 所有者・ 保護団体 所有者の住所 重要文化財 建造物 松風亭蘿月庵 一棟 白河市字菅生館2番地南湖神社境内 南湖神社 所在の場所に同じ 附「蘿月」の書
がある水盥一個 「垂桜」の書が
ある掛軸一幅 絵画 七里ケ浜遠望図 一面 会津若松市城東町1番25号
県立博物館大橋史和 須賀川市東町31番地 書跡 正親町天皇宸輪額字 二通 いわき市小名浜林城字大門9番地 禅長寺 所在の場所に同じ 古文書 示現寺文書 一八通 耶麻郡熱塩加納村大字熱塩字熱塩甲795番地 示現寺 所在の場所に同じ 考古
資料石生前遺跡出土品 一括 河沼郡柳津町大字柳津字諏訪甲59番地
柳津町中央公民館芸術文化史料館柳津町 河沼郡柳津町大字柳津字下平乙234番地 歴史
資料絹本著色恵日寺絵図 一幅 会津若松市城東町1番25号
県立博物館恵日寺 耶麻郡磐梯町字本寺上4950番地 重要無形
民俗文化財豊景神社の太々神楽 郡山市富久山町福原字福原2番地 豊景神社の太々神楽保存会 所在の場所に同じ 重要有形
民俗文化財奥会津の
屋根葺用具と
火伏せの呪具二四二点 南会津郡南郷村大字界字川久保552番地
奥会津南郷民俗館南郷村教育委員会 南会津郡南郷村大字山口字村上842番地 旧修験佐藤家所蔵修験資料 五八点 耶麻郡西会津町大字室坂字宮田甲 706番地1号 佐藤信光 所在の場所に同じ
イ 平成5年度指定解除
種別 名称 員数 所在の場所 所有者 所有者の住所 天然記念物 南城のモッコク いわき市錦町南城22番地 大平陽三郎ほか いわき市岩間町仁反田1-3 ほか
3 埋蔵文化財の保存の充実
(1) 埋蔵文化財保存体制
県土の開発の進展にともない開発側との事前協議が増加
しているが、遺跡の保存に対する県民の関心も高まってお
り、埋蔵文化財保存対策が急務となっている。そのため、
発掘調査体制を年々強化し、財幅島県文化センター遺跡調
査課に逐次定数増加を進めてきた。現在、財団職員30名
(嘱託1名)、派遣職員32名、計62名となっている。
(財)福島県文化センター遺跡調査課職員定数
年度 52 53 54 55 56 57 58 59 60 人員 5 9 15 20 23 26 26 30 40 年度 61 62 63 元 2 3 4 5 人員 44 47 47 55 60 60 62 62 (2) 開発事業地内の保護対策
開発事業地内の遺跡の保護は、1)遺跡の所在・範囲・性
格等を明らかにする「分布調査」の結果により、2)事業者
と保護策を「保存協議」し、3)現状保存できない場合は、