第17章 福島県郡山少年自然の家
第1節 概 要
郡山少年自然の家は、エリアに広がる豊かな自然環境の中
での野外活動や集団生活を通じ、情操を深め、社会性を養い
心身ともに健全な少年を育成することを目的として、昭和47
年8月に開所された社会教育施設である。
郡山少年自然の家は、学校教育・社会教育が持つ、それぞ
れの機能を統合・補完するとともに、生涯学習時代に対応し
開かれた社会教育施設として、次のような教育目標を掲げ、
その実現に努めてきた。
教育目標
○ 自ら進んで、楽しく活動をくり広げられる少年
(自主性と創造性を養う)
○ 自然を愛し、人を愛する豊かな心をもつ少年
(思いやりと情操を養う)
○ みんなと協力し、助け合い、励まし合う少年
(社会性と連帯性を養う)
○ 体力を高め、健康を増進して、働くことに喜びをもつ
少年 (健康な心身と実践力を養う)
1 運営委員会
(1) 第1回運営委員会(平成5年7月15日開催)
(2) 第2回運営委員会(平成6年2月8日開催)
(3) 運営委員会の組織
運営委員会の委員は、次のとおりである。
氏名 役職名 植田英一 福島県議会議員 ◎ 太田緑子 福島県青少年教育振興会会長 岡部文雄 福島県小学校長会理事 国馬善郎 郡山女子大学短期大学部助教授 舘美文 福島県市町村教育委員会連絡協議会常任委員 ○ 丹治勇 郡山市教育委員会教育長 津野英行 福島県PTA連合会副会長 藤木艶子 福島県公民館連絡協議会理事 松井健治 福島県中学校長会理事 山下淡童 福島県子ども会育成連合会会長 氏名は五十音順 ◎印 議長 ○印 副議長
2 平成5年度重点目標と成果
(1) 魅力ある施設づくり
1) 施設の特色を生かした研修活動の推進は、利用団体の
研修の成果を高め、利用者に充実感をもたらす。そのた
めには利用団体との密度の濃い連携が不可欠であり、各
団体の指導者には、事前研修会への参加をはじめ、事前
打合せや事前踏査、下見の来所を促し、自然の家の効果
的な利用とともに、受身的な利用から主体的な利用への
転換を図ってきた。
2) ゆとりあるプログラムによる研修活動の推進は、利用
者がゆったりと、自然や友とふれあう機会の確保に欠か
すことができない条件のひとつであり、利用団体のプロ
グラム編成と展開にあたっては、ゆとりある日程づくり
と弾力的な活動推進の助言、援助に努めた。
(2) 施設・設備の整備
1) 利用団体の自主的研修推進と施設・設備の積極的な利
用のために、研修用具を1箇所にまとめて保管し、研修
団体自らが搬出、返納できるようにした。
2) サーキットコースに組み込まれているトライアングル
渡りの移設、やぐらの補強等を行い、安全に利用できる
ようにした。
(3) 研修活動の改善と開発
1) 冬期の利用拡大のひとつとして、近隣の施設を生かし
たスケート研修をとり入れたところ、冬期利用の学校数
も増え、好評であった。
2) 従来の登山コースのほかに、「福島県のへそ」と称さ
れる高旗山登山コースを設定した。本コースは、小学校
中学年児童も登頂可能で、頂上からの眺望もすばらしく
研修生の登頂の喜びもひとしおであった。
3) 雨天時でも実施可能な研修活動として、「草木染め」
をとり入れた。この活動に使用する材料は、自然の家の
エリアでも準備でき、身近な材料での色の変化は、研修
生の感動を生み出すことができる。
(4) 主催事業の効果的な運営と改善・充実
1) 各事業の内容は、マンネリ化しないように常にねらい
をふまえて検討し、工夫を加えて実施している。
「指導者の研修」では、利用時の研修場面で戸惑うこ
とがないよう、実技の選択種目数を確保できるよう実施
してきたが、各団体とも、本研修の成果を主体的な研修
推進に役立てている。
「親子のつどい」は、夏と秋、そして冬の3回実施し
ているが、参加者の年齢構成が広がってきているため、
班や家族の構成に応じて、活動のコースや難易の程度を
選択できるようにするとともに、家族間の交流が深まる
よう、日程にゆとりを持たせ、交流場面を確保して実施
した。
「少年のつどい」の中の「自然に鍛える少年のつどい」
は、葉書での参加申込みに切替え、地域や学年、男女の
バランスを考慮した構成で実施することができ、交流の
深まりと同時に、心身のたくましさを培った。
「たくましく生きる少年のつどい」は、3回実施し、
回を重ねるごとに参加者も増え、広がる空間の中での活
動に喜々として取り組む姿や言葉をかけ合い、交流を深
める場面も見られ、ねらいを達成することができた。