教育年報1994年(H6)-185/231page

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第13章 福島県養護教育センター

第1節 概    要

 養護教育センターは、本県養護教育の振興と充実を図るこ

とを目的として、昭和61年4月1日に開所し、心身障害児の

教育相談、養護教育関係教職員の研修、養護教育に関する事

項の調査・研究、養護教育に関する図書資料の収集と提供、

養護教育の理解・啓発のための資料の作成と広報等に関する

事業を推進してきた。

 1 教育相談事業

 心身に障害が認められるか、又はその疑いのある幼児、児

童生徒を対象に、養育、教育、就学及び進路等について保護

者や学校、幼稚園、保育所、市町村教育委員会からの相

談に対応し、必要に応じて、嘱託医と連携して検査・観察・

診断等を行い、指導援助を実施した。また、本県の広い地理

的条件を考慮して、県北(県立聾学校福島分校)、会津(同

会津分校)、浜通り(同平分校)に地域相談室を設置す

るとともに、心身障害児巡回就学相談を県内4会場で実施し

た。

 なお、この1年間の相談総件数は、延べ3,251件であった。

 2 教職員研修事業

 養護教育センターは、養護教育関係教職員を対象として、

専門職としての資質能力の向上を図るために、第4次福島県

長期総合教育計画に基づく研修計画のうち、各種障害児教育

に関する専門的内容についての研修事業を実施した。

 本年度の研修の企画運営に当たっでは、各講座の特性を考

慮して、継続的、系統的、発展的視野からできるだけ現実的

な教育実践に直結した内容・方法を取り上げ、教育活動の展

開状況に対処するうえで必要な専門的知識・技能を重点的に

習得し、専門的な資質能力の向上を図るよう努めた。

 本年度実施した研修講座は別表のとおりで、開設日数は48

日、研修人員は327名であった。

 3 教育調査・研究事業

 養護教育センターに課せられた研究機関としての役割と使

命を達成するため、本県が当面している養護教育振興上の課

題及び学校における教育実践上の具体的課題と関連する研究

主題を設定し、次の研究を行った。

  共同研究「養護教育における教材・教具の工夫と活用に

  関する研究―教材・教具活用の視点と工夫―」1年次

  (3年継続研究)

 この研究成果は、研修講座の内容・方法の改善充実に反映

させるとともに、研究紀要第9号として刊行した。

 なお、養護教育課、盲・聾・養護学校及び小・中学校特殊

学級等の関係教職員の出席のもと、平成7年2月17日(金)に、

第9回研究発表会を実施した。同時に、盲・聾・養護学校及

び特殊学級担当教員等を対象とした奨励研究の報告会を併せ

て行い、本年度は、3名が実践研究の報告を行った。

 4 教育図書・資料の収集・提供事業

 養護教育の振興充実に役立つ情報・資料を県内教職員等に

提供するため、養護教育関係の専門図書・資料の収集・整理

を行い、利用しやすくした。なお、養護教育関係図書は5,373

冊、月刊・季刊誌は31種類となっている。

 5 広報・啓発事業

 養護教育センターの事業内容及び所員による調査・研究の

成果等を広報するため、所報「養護教育」を年間3回発行し、

たのをはじめ、研究紀要、心身障害児ハンドブック(第7集)

「耳の不自由な子」及び広報パンフレット等を学校、教育機

関等に配布して、養護教育の啓発を図った。また、広報誌

「教育福島」、テレビ、新聞等をとおして、広く県民の養護

教育に対する理解と認識を深め、人間性を重視した学校教育

を推進することに努めた。

第2節 心身障害児の教育相談事業

 1 相 談 対 象

 心身に障害が認められるか、又はその疑いのある幼児、児

童生徒を相談対象とし、障害の種類は次のとおりである。

   ○視覚障害  ○病弱・身体虚弱

   ○聴覚障害  ○言語障害

   ○精神薄弱  ○情緒障害

   ○肢体不自由 ○重複障害

 2 形     態

(1) 来所相談

  電話、手紙等の申し込みにより、来所日時をあらかじめ

 調整のうえ通知し、相談者の来所によって行った。また、

 相談の内容によっては電話だけによる相談も行った。

(2) 巡回就学相談

 1) 事業内容

   心身障害幼児・児童の発育状況や教育措置に対する正

  しい認識を得させるため、4教育事務所管内において巡

  回就学相談を実施し、適正就学に関する啓発活動の充実

  を図った。

 2) 実施地区と相談件数

    相談件数88件

     県北:福島市(20件)

     会津:会津若松市(35件)

     相双:原町市(16件)

     いわき:いわき市(17件)

(3) 地域相談室相談

  次の3カ所に地域相談室を設置し、各障害の相談に応じ

 られるように相談員を委嘱、来室による相談、電話による

 相談を行った。


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