第9章 文 化
第1節 概要
県教育委員会では、心の豊かさと、うるおいのある生活の
実現を求める県民の意識の高まりを背景に新たな文化を創造
発展させるために、先人が築きあげてきた文化遺産を継承す
るとともに、"潤いと個性に満ちた文化の振興"をスローガ
ンに、「文化活動の振興」、「文化の伝承の充実」、「文化施設の
整備充実」を3本の柱とし、県民の自主性と創意性を尊重し
ながら、文化活動を更に活発にするための条件整備を積極的
に展開したが、その成果は次のとおりである。
1 文化活動の振興
(1)芸術文化活動発表の機会の充実
県総合美術展覧会、県文学賞の内容を充実し、作品の応
募の奨励を図るとともに、文化団体が主体となり運営して
いる県芸術祭の充実並びに県高等学校文化連盟の育成・援
助に努めた。
また、第50回国民体育大会の芸術プログラムとしてス
ポーツ芸術を実施した。
(2)芸術鑑賞の機会の確保
県展移動展、こども・青少年芸術劇場、ミュージカルに
よる県芸術鑑賞教室、家庭劇場等を実施し、優れた芸術鑑
賞の機会の確保に努めた。
(3)文化振興基金の充実と確保
文化団体の育成と県民の自主的な文化活動の活発化を図
るため、(財)福島県文化振興基金の充実と活用を促進した。
(4)文化活動指導者の養成確保
芸術文化指導者派遣事業により、文化活動指導者の養成
確保に努めた。
2 文化の伝承の充実
(1)文化財保護体制の充実
文化財保護体制を確保するため、文化財保護行政組織の
充実を図り、特に、埋蔵文化財体制の強化に努めた。
また、文化財保存管理の万全を期するため、文化財パトロール
の充実に努めた。
(2)文化財保存調査
文化財の指定・保存のため、文化財保存調査を実施した
ほか、文化財に関する資料の整備と記録保存を行った。
(3)埋蔵文化財の保存の充実
開発事業に対して、事前の表面分布調査と試掘調査を実
施するとともに、事業者側と協議を行い、可能な限り埋蔵
文化財の現状保存に努めながら、記録保存のための発掘調
査を行った。
(4)文化財防災設備等の整備促進
文化財防災設備、保存施設等の整備を促進するととも
に、所有者又は管理団体等に対し日常的管理の強化を図る
よう指導に当たった。
(5)文化財保存助成の充実
国・県指定文化財の保存修理及び埋蔵文化財保存調査に
対し、国庫及び県費の助成を行った。
(6)文化財の愛護と公開の推進
文化財に対する県民の理解と愛護精神の高揚を図るため
各種事業を実施したほか、伝承芸能公開事業(県民俗芸能
大会)を開催するほど、公開の機会の充実に努めた。
3 文化施設の整備充実
(1)県文化センターの整備充実
県文化センターの施設・設備を整備充実するとともに、
文化情報の収集・提供などの機能の充実に努めた。
(2)県立美術館の整備充実
常設展・企画展等を開催するとともに、美術作品の収集
と作品・作家等に関する調査研究を計画的に推進したほ
か、教育普及活動に努めるなど本県美術振興の中心施設と
して機能の充実に努めた。
(3)県立博物館の整備充実
展示資料の収集・整備に努め、調査研究を計画的に推進
し、常設展・企画展等の充実を図るとともに教育普及のた
めの各種事業を行い、県内博物館の中心的施設として機能
の充実に努めた。
第2節 文化活動の促進
1 文化振興のための条件整備
(1)文化行政の推進
1)県教育事務所文化行政担当者会議
ア 日時 平成7年4月
イ 会場 あづま荘会議室
ウ 参加者 20名
2)芸術文化懇談会
本県文化の発展のために、出席者より提言を求め、県
文化の振興及び県文化行政推進の参考とした。
日時 平成7年4月
場所 熱塩加納村「叶屋」
懇談事項本県の美術について
出席者 松本栄 水戸童
富樫京子 西山勇三
長沢節 西村榮悟
安部孫一 渡辺良雄
渡部憲司 橋本照
舟生厚 佐藤功
増田忍石 高橋藤園
神野忠和 宗像亮一