教育年報1997年(H9)-197/258page
第13章 福島県教育センター
第1節 概要
教育センターは、教育関係職員の研修、教育に関する専門
的・技術的事項の調査研究、情報教育、教育相談及び教育図
書・資料の作成・収集・提供等、本県の学校教育の向上・発
展に寄与するための事業を実施してきた。
それらの事業概要は、次のとおりである。
1 研修事業
教職員の資質と指導力の向上を図るために、「平成9年度
福島県公立学校教職員現職教育計画」に基づいて各種の研修
講座を実施した。
基本研修の初任者研修、経験者研修1(教職5年経験者)、
経験者研修2(教職10年経験者)、並びに、専門研修2(教
科指導、道徳教育、特別活動、教育方法実践、生徒指導・教
育相談、登校拒否研修、環境教育、国際理解教育、情報教育)
と専門研修3(学校経営関係、教育研究法)を実施した。
平成9年度の研修講座の実績は、次のとおりであった。
○講座数 42講座 ○講座開設数 95 回 ○講座研修者数 3,991人(延べ人数) ○講座開設期間 平成9年5月13日〜平成10年2月20日 2 研究事業
教育センターの使命、役割を自覚し、県教育委員会のシン
クタンクとしての期待に十分応えられるように努めるととも
に、本県の教育推進上の課題や今日的な学校教育の在り方に
対応する研究を行い、本県学校教育の充実・進展に資するこ
とをねらいとして、学校教育の諸課題の解決に役立つ先導的・
実証的な研究を進めてきた。
特に、平成9年度から、「『生きる力』としての『学力』を
育てる学校教育の創造」をセンターの共通課題として掲げ、
「小・中・高における授業の改造」を目指して5つの部(教
育経営・学習指導・科学技術教育・情報教育・教育相談)が
それぞれに研究主題を設定して研究を推進してきた。
また、部の研究と併せて、センターの所員一人一人が自ら
の資質・力量の向上を図るために主題を設定して研究に取り
組んできた。
これらの研究成果は、「研究紀要」及び広報誌
「所報ふくしま『窓』」に掲載するとともに、平成10年2月3日(火)の
「福島県教育研究発表大会」において発表し、県内外に普及
を図った。
3 教育相談事業
幼児及び児童生徒の教育上の諸問題について相談を受け、
問題の改善・解決を目指し来所相談、電話相談を行った。
特に、不登校や学校生活に関する相談が多いことから、関
係学校と協力するとともに、関係専門機関との連携を図りな
がら相談に当たった。
また、本年度6月よりフリーダイヤルが設置されたが、設
置以降は電話相談件数が著しく増加した。
4 教育図書・資料事業
県内教職員の教育実践活動に役立つ教育図書及び教育資料
の収集・整理に努めるとともに、文献的資料の利用相談への
対応並びに貸し出し等のサービスを行い、教職員の研修・研
究活動を援助してきた。
また、教育センター広報誌「所報ふくしま『窓』」第121号、
122号、123号及び「研究紀要」第27集を発行し、教育実践活
動並びに研修・研究活動への情報を提供してきた。
5 情報教育事業
県内教職員の教育活動を支援するために、学習指導の中で
活用できるソフトウェア(以後ソフトと記す)情報の提供を
行ってきた。また、今年度から研修用コンピュータ設備が更
新されネットワークを利用した研修が可能となった。このよ
うな中で、これからの情報教育の在り方を考え、それを推進
できる教員の育成を図った。
平成8年度から、ソフトウェアライブラリセンターが開設
され、教育用ソフトが3,000本以上収集・展示してある。ソ
フトの二次情報はコンピュータで検索することができ、実際
にソフトの内容を見ることもできる。平成9年度の利用者数
は、平成8年度より400名多い、1,400名を越え、センター研
修等でも有効利用を図っている。
教育用自作ソフトの共同開発や、学校巡回指導等で情報処
理技術者(SE)を活用して、学校でのコンピュータ利用・
活用の推進にも当たった。
第2節 研修事業
教育センターにおける教職員研修は、基本研修と専門研修
に位置づけられ、それぞれ次のとおり実施した。
1 研修講座の概要
(1) 基本研修は、小学校・中学校・高等学校とも初任者、教
職5年経験者、教職10年経験者を対象とした。
初任者研修の内容は、教科指導、情報リテラシー、生徒
指導・教育相談及び教職一般に関するものなどで、小・中
学校は2泊3日を1回、高等学校は「学校教育と法令」及
び「教育経営と授業」を加えて、前期・後期にわたり2泊
3日を2回実施した。
経験者研修1及び経験者研修2(前期)は、教科の特性
を生かした指導法など経験年数を踏まえた内容で、2泊3