教育年報1998年(H10)-269/270page
〔付記〕8月末豪雨災害
1 8月末豪雨の概要
8月26日午後から中通り中・南部で強い雨が降り出し、
一時弱まりを見せたが、27日午前1時頃から南部を中心
に激しい雨が断続的に28日午前4時頃まで降り続いた。
その後小康状態に入ったが、29日午前7時頃から30日に
かけて再び強い雨が断続的に降り続いた。このように降
雨は二つのピークがあり、災害は長期にわたった。
2 被害状況(文教関係)
(1) 人的被害
集中豪雨は、2学期早々の授業日の出来事であり、中通
りを中心に「臨時休校」、「授業打ち切り」、「授業遅らせ」
等の措置をとった学校が多く、その累計は下表のとおりで
あった。
数値は累計
項 目 小・中学 高等学校 養護学校 合 計 臨時休校 240 36 14 290 授業打ち切り 129 147 6 282 授業遅らせ 52 15 0 67 欠席者数 2,154 29,206 432 31,792 死亡 1 0 0 1 怪我等 0 0 0 0 (※ 死亡:大信村立大屋小学校6年)
(2) 物的被害
1) 学校教育施設
・公立小中学校で被害を受けたのは、76校、被害金額は
約5億2千万円にのぼった。被害の多くは法面崩落、
土砂流出・流入等土地にかかるものであったが、大信
村立大信中学校では、裏山からの大量の土砂流入によ
り技術室棟が全壊し、図書室が損壊するとともに、備
品・教材等が流出するなど大きな被害を受けた。
・県立学校で被害を受けたのは、法面崩落や法面亀裂が
あった二本松工業高校と船引高校の2校で、被害額は
1,074万円であった。
・災害復旧費国庫負担法適用の状況
「公立学校施設災害復旧費国庫負担法」の摘要を受け
るべく、公立学校毎の被害の種類、程度の状況把握に
努め、その内容を精査した。
公立小・中学校では14市町村、22小・中学校(小学校
13校、中学校9校)が、県立学校では二本松工業高校
が適用を受けた。
2) 社会教育・体育施設
ア 社会教育施設
社会教育施設で被害を受けたのは、市町村有施設6
施設で、被害は法面崩落などで、概算被害額は1,470万
円であった。
イ 社会体育施設
社会体育施設で被害を受けたのは、県有施設では1
件で概算被害額12万円、市町村有施設は30件で概算被
害額は2億5,777万円であった。
3 災害応急対策
(1) 児童生徒の教科書の確保
児童生徒の教科書の被害について実態を調査し、被害状
況を把握するとともに、第2学期の授業に支障がないよう
に努め、速やかに教科書の給与を行った。その対象となっ
たのは、小・中・高等学校で82名、407冊であった。
(2) 県立高等学校被災生徒に対する就学援助
県立高等学校に在籍する生徒で、災害を受け就学が困難
になった生徒に対し、授業料免除の措置を講じた。免除の
対象となったのは全日制で24校85名であった。
大信村立大信中学校