平成12年度教育年報 -199/272page
第13章 福島県教育センター
第1節 概 要
教育センターは、教育関係職員の研修、教育に関する専門的・技術的事項の調査研究、情報教育、教育相談及び教育図書・資料の作成・収集・提供等、本県の学校教育の向上・発展に寄与するための事業を実施してきた。
それらの事業概要は、次のとおりである。
1 研 修 事 業
教職員の資質と指導力の向上を図るために、「平成12年度福島県公立学校数職員現職教育計画」に基づいて各種の研修講座を実施した。
基本研修の初任者研修、経験者研修I(教職5年経験者)、経験者研修II(教職10年経験者)、並びに、専門研修II(教科指導、道徳教育、特別活動、教育方法実践、学校カウンセラー〈初級・中級・上級〉、不登校研修、環境教育、国際理解教育、情報教育)と専門研修III(学校経営関係、教育研究法)を実施した。平成12年度の研修講座の実績は、次のとおりであった。
○講 座 数 43講座 ○講座開設数 101回 ○講座研修者数 3,785人(延べ人数) ○講座開設期間 平成12年5月11日〜平成13年2月23日 2 研 究 事 業
教育センターの使命、役割を自覚し、県教育委員会のシンクタンクとしての期待に十分応えられるようにするとともに、本県の教育推進上の課題や今日的な学校教育の在り方に対応する研究を行い、本県学校教育の充実・進展に資することをねらいとして、学校教育の諸課題の解決に役立つ先導的・実証的な研究を進めてきた。
平成12年度は、研究課題として「生きる力を育てる学校教育の改革」を設定し、五つの部(教育経営・学習指導・科学技術教育・情報教育・教育相談)がそれぞれに研究主題を設定して研究を進めた。
これらの研究成果は、「研究紀要」「所報ふくしま『窓』」等に掲載するとともに、平成13年2月9日(金)の「福島県教育研究発表大会」においても発表した。
3 教育相談事業
幼児及び児童生徒の教育上の諸問題について相談を受け、問題の改善・解決を目指した来所相談、電話相談を行った。
特に、不登校や学校生活に関する相談が多いことから、当該校と連絡を密にするとともに、関係専門機閑との連携を図りながら相談に当たった。
また、フリーダイヤルを活用した遠隔地からの相談や児童生徒本人からの相談が増加した。
4 教育図書・資料事業
県内数職員の教育実践活動に役立つ教育図書及び教育資料の収集・整理に努めるとともに、文献的資料の利用相談への対応並びに貸し出し等のサービスを行い、教職員の研修・研究活動を援助してきた。
また、教育センター広報誌「所報ふくしま 『窓』第130号、131号、132号及び「研究紀要」第30集、「教育研究資料目録」第26集を発行し、教育実践活動並びに研修・研究活動への情報を提供してきた。
5 情報教育事業
県内数職員の教育活動を支援するために、学習指導の中で活用できるソフトウェア(以後ソフトと記す)情報の提供を行ってきた。また、所内のパソコンネットワーク(イントラネット)を利用した研修も行っている。このような中で、これからの情報教育の在り方を考え、それを推進できる教員の育成を図った。
平成8年度から、ソフトウェアライブラリセンターが開設され、教育用ソフトが3,000本以上収集・展示してある。ソフトの二次情報はコンピュータで検索することができ、実際にソフトの内容を見ることもできる。さらにライブラリセンター内ではソフトの試行も行っている。平成12年度の利用者数は1,900名を越え、センター研修等でも有効利用を図っている。
情報処理技術者(SE)をソフトウェアライブラリセンターの運営補助で活用し、学校でのコンピュータ利用・活用の推進にも当たった。
第2節 研 修 事 業
教育センターにおける教職員研修は、基本研修と専門研修に位置付けられ、それぞれ次のとおり実施した。
1 研修講座の概要
(1)基本研修は、小学校・中学校・高等学校とも初任者、教職5年経験者・教職10年経験者を対象とした。
初任者研修の内容は、教科指導、情報リテラシー、生徒指導・教育相談及び教職一般に関するものなどで、小・中学校は2泊3日を1回、高等学校は「学校数育と法令」及び「教育経営と授業」を加え、前期・後期の2回、2泊3日の日程で実施した。
経験者研修I及び経験者研修II(前期)は、教科の特性を生かした指導法など経験年数を踏まえた内容で、2泊3日で実施した。また、高等学校経験者I(後期)は、生徒指導・教育相談の研修を、経験者研修II(後期)は情報数