平成12年度教育年報 -209/272page

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び上がった。障害のある子供の教育に携わる教師は、子供の心に対して多元的な配慮性を働かせることが求められること、障害の面を含めたその子全体とその思いを日ごろの関係に基づいて理解することが求められることが明らかになった。さらに、子供を取り巻く様々な教育環境を整えることや、教師自身の教育実践について振り返り、教師と子供・教師と保護者等の関係性をどのように形作っていくかといった教育の営みの構図化とその評価が必要不可欠であることを明らかにした。

2 実 践 研 究

(1)特別な教育的配慮が必要な児童生徒に対する実践的支援

 「特別な教育的ニーズを持つ児童に対する通級指導を通じた教育的支援の在り方」

保原町立上保原小学校 教諭 菅 野 かおり

 通級指導教室においては、特別な教育ニーズを持つ児童の実態把握を多面的に行い、児童が学習しやすい環境を在籍学級との連携のもとで整えていくことが重要であることを明らかにした。

(2)新設特殊学級支援

 南会津地区の新設特殊学級設置校4校に対して、養護教育の考え方、指導内容・方法等について日常的・継続的支援を行い、地域の特性を生かした支援内容、方法を整理した。

(3)高等部訪問教育調査

 高等部訪問教育実施校5校を調査し、教育課程、スクーリングの実際、個別の指導計画等について整理し、その充実を図る手立てについて検討した。

3 長期研究員研究

(1)聴覚障害児の最早期教育に関する研究

 〜聴覚障害乳幼児のための指導プログラムの一提案〜

長期研究員 須 田 康 仁

 保育園の指導プログラムを参考に聴覚障害児に必要な項目を加え、0歳から2歳の聴覚障害児一人一人にあった指導プログラムを作成するための基礎となるプログラムの提案をした。

(2)養護教育におけるコンピュータソフト活用の在り方

 〜養護教育用自作ソフトの収集とWebページを利用した提供〜

長期研究員 水 井 裕 行

 当センターで開発した、児童生徒が自分で検索できるデータベースを利用し、ネットワーク上の養護教育用ソフトダウンロードWebページ構築により、「養護教育用のコンテンツ」を提供し、養護教育におけるコンピュータとネットワークの必要性・有効性を検討した。

(3)子供一人一人の認知の特性を生かした授業づくりに関する実践的研究

 〜算数科[比と比の値][比例][反比例]を中心として〜

長期研究員 星   ひろ子

 子供一人一人の認知の特性という視点から教材分析をし、わかりやすいと思われる学習内容とわかりにくいと思われる学習内容を整理して指導の手立てを考え、授業実践を行った。

第5節 教育図書・資料の収集・提供事業

1 教育図書・資料の収集・整理

(1)教育図書の収集・整理

 教育図書については、養護教育に関する専門図書の充実に努め、本年度65冊の新規購入及び寄贈の結果、蔵書数は6,828冊になった。その種類は、障害児の教育関係図書が1,301冊、その他の図書が5,527冊である。障害児関係図書については、利用しやすいように障害別(視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱、重複障害等)に配架している。また、利用者自身が簡単に図書の検索ができるデータベースを作成し、利用者の利便を図った。

(2)教育関係定期刊行物の収集・整理

 教育関係定期刊行物については、30種類購入し、いつでも閲覧できるように分類・配架した。

(3)教育資料の収集・整理

 全国の関係機関や県内の教育機関の協力により、研究紀要・研究報告書・ハンドブック等の収集に努め、収集した149冊を分類・配架した。県内の資料についても、学校別に分類・配架した。

(4)養護教育に関するビデオコーナーの充実

 養護教育に関心を持ち、正しい理解を図ることを目的として、障害別にビデオテープを用意し、養護教育に関するビデオを自由に視聴できるコーナーを設置し、活用を図った。研修講座や教育相談に訪れた人たちが活用した。

2 教育図書・資料の利用

当センターの研修参加者を含め、県内の養護教育に携わる教職員のみならず、義務教育諸学校の教職員や一般の方々の利用が増えている。利用者は702名、図書・資料の貸出数は315冊であった。

第6節 広報・啓発事業

1 所報「養護教育」(51号、52号)

(1)内   容

 提言/特集/特別寄稿/研修ノート(研修講座講義から)/願いふれあい/さわやか実践/インフォメーション(教育相談から、研究から、研修から、情報教育から)等

(2)規格、ページ、部数

 1. 規  格  A4判

 2. ページ数  毎号16ページ

 3. 部  数  毎号1,800部


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