レッドデータブックふくしまT 植物・昆虫類・鳥類 -000_03/451page
発 刊 に あ た っ て
福島県は、全国第3位の広大な県土を有し、標高2,000m級の急峻な山岳やなだらかな山地、悠々と流れる河川、大小様々な湖沼・湿地などの豊かな自然環境に恵まれ、その中で多くの野生生物が生息・生育しています。
私たちは、これらの豊かな自然との共生を念頭におき、今日まで県土の発展を築き上げてきました。しかし、産業活動や都市化の進展など社会・経済的な要因によって、野生生物のなかには、その生息・生育環境が脅かされ、絶滅のおそれが心配されるものも見られるようになってきました。豊かな自然環境と、多様な野生生物は、長い地球の歴史とともに郷土に育まれてきたものであり、私たちにとってかけがえのない財産であるとともに、これらを保全し、新しい世紀に引き継いでいくことは、今を生きる私たち県民の重要な責務と使命であると考えています。
このため、県の長期総合計画「うつくしま21」にも掲げられている「自然と共生する地球にやさしい“ふくしま”」の理念のもとに、平成10年度から、絶滅のおそれのある野生生物の現状を把握し、希少野生生物保護対策の基礎的な資料を得る目的で県内野生生物の分布状況を調査してきました。
本書は、このうち、植物、昆虫類、鳥類について、ふくしまレッドリストに選定した希少野生生物等をもとに「レッドデータブックふくしまT」として取りまとめたものです。県では、今後、哺乳類、両生・爬虫類、淡水魚類についての「レッドデータブックふくしまU」 の発行も予定しておりますが、これらの発行を踏まえ、さらに、具体的な希少野生生物の保護施策の検討に入ることとしています。
本書の発行を機に、県民の皆様の野生生物への理解と関心が一層深まり、各方面での野生生物保護の実践的取り組みに活用していただけることを心より念願しています。
終わりに、本書の作成にあたり御協力いただいた「ふくしまレッドデータブック」作成検討委員会及び各分科会の皆様方をはじめ、資料の提供や調査に参加いただいた関係各位に厚くお礼申し上げます。
平成14年3月