レッドデータブックふくしまU 淡水魚類/両生類・爬虫類/哺乳類 -071/122page

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(ウ)鳥類

鳥類では、多くの種が餌場、営巣地となる森林に生息しており、特に猛禽類等の大型の鳥類は行動圏が極めて大きく、広大な森林が生息環境として必要である。したがって、生息地を破壊する開発行為や無秩序な森林の伐採が最も大きい影響要因となっている。一方、里山などは管理放棄により荒廃し、鳥類の生息環境として適さない地域が増加している。海浜地で繁殖する鳥類では、繁殖地等への車の乗り入れなどが阻害要因となっている。

表−2−3
鳥類の生息に影響を与えている要因(ふくしまレッドデータブックカテゴリー:絶滅危惧)

鳥類の生息に影響を与えている要因(ふくしまレッドデータブックカテゴリー:絶滅危惧)

これらの要因の根底にあるものは人間の社会、経済活動の急激な拡大であり、これまで人間が無自覚に野生生物の生息・生育環境の破壊を行ってきたことは否めない事実である。

これまで野生生物の生存に影響を与え続けてきた人間は、今後の野生生物を含めた自然環境の保護について改めて考えなければならない時期にきている。絶滅に瀕した野生生物の現状は、近い将来、我々人間が向き合わざるを得ない種々の問題を示唆しており、今、取り組むべき重大な課題としてとらえる必要がある。

 (3)既存の保護制度

野生生物の保護を直接の目的の1つとする既存の法令としては、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」、「文化財保護法」があげられる。また、生息・生育地の保護制度を有する既存の法令として、「自然環境保全法」、「自然公園法」、「河川法」、「海岸法」があげられる。その他、国有林には林野庁独自の保護地域制度である保護林制度があり、国有林野管理経営規定に基づき選定されている。保護林は「森林生態系保護地域」、「森林生物遺伝資源保存林」等7つに区分されており、それぞれの目的に応じて管理を行うこととされている。

さらに、生態系に対する影響が指摘されている移入種に関連した法令としては、輸入規制にかかわる「植物防疫法」があげられる。


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