理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-051/82page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

25地層に残されたものからどのようなことがわかるだろうか

私たちの住む地球は今から45億年ぐらい前に誕生したと考えられています。
太陽系の惑星で地球だけが多量の水や空気を持っています。そのことは,多くの生物が生き続けられるということばかりでなく,大気中を循環する水の働きによって自然は変化し続け,湖や川や海と山との美しい景観を1生りあげているのです。
この自然が歩み続けた道すじを知ることは,これからの自然の変化を予想する上できわめて大切なことです。
自然が歩んだ道を知るのにどうずればよいのでしょうそれが,地層の中に残されている化石を調べることなのです。化石によって私たちは,その地層がたい積したのはいつの時代かを知ることができます(標靴石,京職石)。
また,その化石が当時どのような自然の環境の中に生きていたものかも知るこしそうとができます(示相化石)。
県内で化石が特に多く含まれて知られるのは,塙町(東白川郡)で,「化石湖」と呼はれています(図-64)。この中には,巻貝や二枚貝が多く見られますが,それを調べた結果第三紀中新世(3000万年前)にたい積した地層で当時は海底であったことがわかっています。
また,図-65に示したように,郡山市熱海町からは,象歯の化石が発見され(第四紀洪積世〕ています。図-66は,福島の信夫山から発見されたサバの化石で;福島盆地も当時は海底で魚がおよいでいたことがわかります。
次に,地層や岩石には化石以外に,放射性の元素が含まれている場台が多く,それをとり出して,その強さを調べることによっていつの時代の岩石かをきめる方法があります。これを絶対年代測定といい,近年非常に多くの地域で調べられるようになりました。これにはウラニウムやトンウム,カリウム,炭素なとの同位元素が,それぞれの目的によって使われています。
このように現在では,化石による方法と,放射性元素による年代の決め方を組みあわせて,昔の様子を複元することができるようになりました。
私たちができることは,地層の中の化石を図鑑などを使ってよく調べることです。近くの地層をよく観察してみましょう。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]


掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。