理科野外観察の手引びき(小・中学校編)-071/82page

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34せき止められてできた湖にはどんなものがあるだろうか

発電やかんがい用水を得るために,流れをせき止めてダムを作ることが人間の手で行なわれています。それが,田子倉湖や,羽鳥湖なのです。
しかし,人の手によらず自然の力で作り上げられたせき止め湖が多くあります。
福島県には,全国でも有名なせき止め湖である檜原湖や小野川湖や,秋元湖があります。この湖は,明治21年の磐梯山の爆発によっておし出された泥の流れによって・それぞれ大井川・吾妻川・雄子沢川、小野川、大倉川・小倉川・中津川などがせき止められたものです。
これらの様子は,空中写真で見ると実によくわかります。図-100の中に書かれている1,2号の点線の範囲が泥や火山の大きなレキの広がっている範囲です。
なお,aは秋元湖,bは小野川湖,cは檜原湖となっています。
つぎに図-99は,レークラインより,小野川湖を見たものでこの湖の向こうがわに台地がみられます。この台地は写真の左側から,右側によわく傾斜しています。実はこれが明治21年に押し出されたものなのです。そのことは,空中写真とよくくらぺてみましょう。(なお,この台地のさらにむこうがわは,檜原湖になっています。)
県内には,これら以外に,吾妻山にもせき止め湖があります。それは,土湯温泉の北方にある男沼(おぬま)(海抜高度650m,面積0.05km、深さ9.8m)と,さらに北東の方にある女沼(めぬま)(海抜530m,面積0.08q2,深さ8.7m)があります。いずれも,火山の噴出物によってせき止められたものであることがわかります。現地を訪れたおりにはよく注意してその地形を見ましょう。

図99 レークラインより見た小野川湖と磐梯山の泥流(湖の向こう側)
図99 レークラインより見た小野川湖と磐梯山の泥流(湖の向こう側)


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