中学校技術・家庭科学習指導資料-004/50page
(4)製作上の留意事項
1)回転磁界をつくるフェライト磁石は,N極とS極を向い合わせにエポキシ系の接着剤で回転板上にしっかりと接合する。
2)回転板と同転軸(B)の接合はハンダ付けするとよい。
3)固定心棒(B)の先端は鋭くとげて,回転子の軸受けと摩擦抵抗を少なくするようにくふうする。
4)回転子のフィルムケースにボール盤等で穴あけするとき,必ずしもきれいにあくとはかぎらない,きり粉が付着している場合があるので,それを除去し完全な穴にすろ。
5)回転子の上下の両穴と軸受けのポンチ打ちによるへこみ点が,回転子の中心に位置し,かつ,その三者が一直線になるように,穴あけと軸受けの取付けをする。
(取付けは,セロテープでよい。)
6)回転子の外側にとりつける銅板は,セロテープで上下をしっかりとりつけ,中央部はフェライト磁石の回転軌道下になるので,セロテープはまきつけない。また,銅板の両端の合わさり部は盛りあがらないようにくふうする。(はんだ付けでもよい。)
7)材料表の回転板寸法には,軸受け三つ分の材料が含んでいる。必要な穴あけを行なった後に規定の寸法に切断するとよい(作業の安全確保から)。
8)固定心棒(A,B)を木台に取り付ける場合は,接着剤を使って確実に取り付ける。
9)小部品の製作作業は,安全確保の意味から機械器具類の使用は細心の注意をはらうようにする。
(5)使用法
1)回転装置のハンドルをつまみ,左または右の方向に回転すると回転力が回転磁界装置に伝達され,回転板に取り付けたフェライト磁石が回転し,回転磁界ができる。
2)固定心棒(B)回転子をかぶせ,フェライト磁石を回転すると回転子が回る。
3)回転板に取り付けたフェライト磁石と回転子の間隔を増減して,回転子の回る速さを比較する。
※回転板を二つ製作し,一方にはフェライト磁石を取り付けないで回転させ,回転子の状態を観察し,両者の差異を考察させるのもよい方法である。
(6)解説
この教具の解説には,先ず予備知識として,右ねじの法則,電磁誘樽,フレミングの右手,左手三指の法則を簡単に説明を加え,生徒に理解させておく必要がある。これらの概念がもとになり,回転磁界と回転子の関係,回転子が回る理由