中学校技術・家庭科学習指導資料-023/50page

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5 製作上の留意事項
(1)21ページ(1)のしんちゅう板,亜鉛鉄板は組であるから,けがき,ポンチ打ち,穴あけは,二枚重ねてやるとよい。
(2)穴あけは,右端一箇所を最初にあけ,アルミ製のリベットをかしめてから,順にあけるようにする。
(3)金切りばさみで,リベットの長さを半分に切断して使用するとよい。
(4)折り曲げは,折り台を使用しておこなうときれいにできる。
(5)電極板(A)の先端は,電極板(B)と接点をなすから,軽くポンチ打ちし,山をつくり接点の機能を高める。
6 試験と調整
(1)電極板(A),(B)接点が確実に接触しているかどうかたしかめる。離れている場合は接触させる。
(2)電池,豆電球をとりつけ,スイッチを入れ豆電球を点燈する。
(3)アルコールランプで,電極板(A)の中央部を下からあたためる。すると,上方に曲り豆電球は消燈する。
(4)しばらくすると,電極板(A)はもとにもどり,再度電球は点燈する。
7 解説
電熱を利用した電気器具には,温度の自動調整用にサーモスタットが使われている。サーモスタットは,熱膨張率の異なる二種の金属をはり合わせたバイメタルを使用する。このバイメタルは,温度が上がると反り,その先端にとりつけた接点がはなれて電流を切る。一般的には,接点の間隙を調節することにより持続する温度を変化させる。接点は,バイメタルに直接ついているものの外に,小さなスプリングの作用により,バイメタルがある程度開くと急にテコが働いて,接点を速かに切るものとがある。前者を遅働型,後者を速働型ともいっている。速働型の方が温度の変動幅が小さく,温度調節が精密に行なわれる。電気炊飯器のように飯がたけると電流が切れるのもある。
※バイメタルの偏位…バイメタルの加熱による偏位(曲り)は,次の式で示すことができる。バイメタルの偏位
D=K(T2-T1)L/t
D:偏位
K:バイメタルの性質による定数
T2−T1:温度変化
t:バイメタルの厚さ
L:バイメタルの長さ

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