中学校技術・家庭科学習指導資料-042/50page

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あり,どの位置で開いたかにより,ネオン管の発光する明るさが変わる。1)の場合が最も明るく,次が2)で,3)の場合は発光しない。交流はその極が毎秒100回(60Hzの場合は120回)入れ替るのである。図(b)は電流の流れの変化を示したものである。図(a)の(ア)のときは,図(b)の(ア)のように電流は流れる。(イ)のときも同じように図を見てもらいたい。なお,ネオン管のどちらの極が(ア)の場合と(イ)の場合発光するか生徒に考えさせるとよい。
自己誘導作用

 次に,スイッチを開いたときにネオン管は発光し,閉じたときに発光しないのはなぜだろうか。これは前述したとおり,電磁誘導作用によるのである。しかし,これだけではあまりはっきりしないだろうとも思われる。蛇足ではあるが若干説明をすることにする。電磁誘導作用には,相互誘導作用と自己誘導作用があり,前者の利用の代表的なものは変圧器(トランス)である。この例からもわかるように,二つのコイル間に起きた誘導作用を相互誘導作用というのである。
後者の場合は,安定器がそれであり,一つのコイル自身の中に起きる電磁誘導作用をいうのである。これらの電磁誘導作用は,スイッチを入れてコイルに電流を流す瞬間,切る瞬間にも起きるのである。それでは,スイッチを入れたときなぜネオン管は発光しないのか考えてみることにしよう。
図−5
図−5
スイッチを入れて,コイルこ電流を流すと図−5の実線の矢印で示したような磁力線ができる(右ねじの法則を思いだしてください)。この瞬間,左から右への磁力線ができるのを妨げようとして,コイルに破線の矢印で示した右から左への磁力線ができるような起電力が起り,電池からの電流を瞬間的に流すまいとするのである。従って,スイッチを閉じてもネオン管は発光しないのである。
次に,スイッチを開いた瞬間,ネオン管は一瞬発光するが,これはどのように考えたらよいのだろうか。
図−6
図−6
図−6のように,コイルに電流を流しておき,スイッチを開いて電流を切ると,実線の矢印で示した磁力線が消えるが,その瞬時に,磁力線が消えるのを妨げようとして,コイルに破線の矢印で示すような磁力線ができる起電力が起り,瞬間的に電流を流し続けようとするのである。従って,


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