高等学校「理科1」のてびき-032/133page
(指導資料) 6 エネルギー変換
(ジュール熱の測定)
1 ねらい
中学校理科での既習事項(Q=0.24VIt)の上に立って、エネルギー概念という基本概念にかかわる教材として、ジュール熱の測定を通して熱の仕事当量の値を求めることがおもなねらいである。
また、実験の過程を通して電流、電圧、質量、時間、温度という基本的物理量の測定や、データのグラフ化、その解釈といった様々な科学の方法を体験させることも、一つのねらいとして重視しなければならない。
2 準備
サーモ・カップ(300cm3程度)、ミニスターラ、温度計、ストップウォッチ、電流計、電圧計、直流安定化電源(簡単なものを自作してもよい※)
3 方法
(1) 図1のように装置を組み立てる。
(2) 水は、200g程度(多い方がよい)、正しく測る。
(3) ニクロム線は、10オーム程度がよい。電圧は10V程度にして、6分間電流を流す。
1分毎に水温を記録しておく。
(4) いま、水の質量をm〔g〕、水の温度上昇をT〔deg〕、電圧V〔Volt〕、電流I〔Amp〕通電時間をt〔Sec〕とすると、W=JQから
VIt=JmT
∴ J =VIt/mT
4 結果の処理
(測定例)
J=12×1.19×360/200×6
=4.28〔J/cal〕