-野外観察の手びき-中通り・会津の地層と川原-071/231page

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(3)地層に近づいて,その特徴を観察させる。

 (A)層は緑色をして,うすくはがれ,判れ易い性質をもった岩石で,その削れ易い方向が斜めになっています。

 この岩石は緑色の結晶片岩と呼ばれる変成岩です。

 (B)層は1cm〜10cm大の角ばったレキで,多くは(A)層の結晶片岩のレキがつもってできたレキ層です。

 (C)層は砂と火山灰が水中につもってできた地層で,触るとクレンザーのような手ざわりを感じます。地層の厚さは1mほどで青味を帯びた凝灰岩質砂層です。

 (D)層は淡い茶色をしており,ロームと砂が混じった感じの砂層で3cmほどつもっています。

 このがけで観察される最下部の結晶片岩は,先力ンブリア紀に海底につもった十砂が古生代と中生代の地殻変動で変成作用をうけてできたと考えられる変成岩です。この変成岩と(B)層との境はデコボコしています。この境界は(A)層が以前陸地であった頃に浸食を受けてできたもので,その後の地殻変動で水面下に没し,その上に(B)〜(D)層がつもったことをあらわしています。
グランドの上のがけ


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