小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1984-004/98page

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本検査では、この表3を用いて教科別個人得点(正答数計)と正規偏差値との換算表を表5に示してある。
なお、正規偏差値においては、表1、表2が正しく成り立つ。(また、得点の分布がそのまま正規分布をするときは、正規偏差値とふつうの偏差値とは一致する。)
以下、本検査では正規偏差値を単に偏差値という。

4 本検査の正答率とその信頼区間について
本検査は、福島県の当該学年児童を母集団とする標準学力検査であるが、すでに(2)で述べたように、層化無作為2段抽出法によって抽出した標本を基にして標準化したものである。標本は母集団の一部分であるから、標本の正答率が、そのまま母集団のそれと完全に一致するわけではなく誤差が伴う。そこで、本検査では、これらの誤差の範囲を正答率と合わせて明記し指導の際に役立つように配慮した。
9ページ以後の「正答率の信頼区間(信頼度95%)」がその配慮である。例えば、3年社会の観点〔1〕大問1の小問(1)(通し番号1))の標本の正答率は93(%)であるが、誤差を考えに入れると、全県下のこの小問の正答率は、95%の確からしさにおいて91〜95(%)の区間内にあることを意味する。従って、もしも、自校児童の正答率がこの区間の
1) 上限の値95より大であれば、県正答率より「良い」
2) 91〜95の内にあれば、県正答率なみの成績で「普通」
3) 下限の値91より小であれば県正答率より「悪い」
と判定できる。
なお、本検査では個々の児童の指導に役立つように、問題用紙の裏表紙に「学力診断プロフィール」を掲載した。そこでは個人の領域ごと正答数、正答数合計を求めただけで簡単に記入できるよう配慮してある。

5 本検査の信頼性と妥当性について
検査の信頼性とは、その検査による結果の安定性をいい、その安定程度を信頼度という。
信頼度は、一般的には信頼度係数で表す。信頼度係数を決める方法としては、再検査法、代替法、折半法などが考えられており、これらはいずれもある相関係数をもって信頼度係数とするわけであるが、実際的なものではない。また、信頼度係数をキューダー・リチャードソンの式を用いて算出する方法もあるが、これは検査小問の均一性の度合いを示すだけのもので適当ではない
そこで本検査では、当該教科の小問についてA地区の児童の正答率とB地区の児童の正答率との相関係数を算出し、信頼度係数とした。これは地域の違いによる各小問正答率の相関係数の大小がそのまま検査結果の安定性の強弱を示すものと考えたからである。
この信頼度係数は相関係数であるから、その値が1に近いほど信頼度が高いとみる。
本検査の信頼度係数は次表の通りである。いずれも1に近く、信頼度は非常に高いとみなしてよい。

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