福島県の中学校の学習に対する意識と行動-019/115page
(2)国語に対する好き嫌いについて
中学1年時に授業を楽しいと感じるか否かが,生徒たちが国語を好きになるか嫌いになるかの岐路になっていると言える。また,生徒の好き嫌いの意識を決定づける要因は,1学年では授業」や「教師」などの教科内容以外の学習環境面の要因であり,3学年では「成績」や教科内容に関わる要因であるという傾向が見られる。
生徒たちの多くは小説(物語)に最も親しみを感じており,それらを読むことを通じて国語が好きになっていると言える。一方,「作文」や「文法」は敬遠され,国語嫌いを作りがちな学習場面となっている。
成績別に見ると,上位※の生徒は,分析的・認知的学習にさほど抵抗がないが,下位の生徒は,身近で生活実感に即した学習内容や,自分との関連がない内容には興味を持続しがたいといった傾向が見られる。また,下位の生徒にとっては主に「成績不振」が国語嫌いを強くする要因であり,1二位の生徒でも主に「授業への不満」によって国語嫌いになることが少なくないと言える。
1)好き嫌い
国語の学習が好きか(1年)
国語の学習が好きか(2年)
国語の学習が好きか(3年) 上位の生徒の約60%が,「好き」あるいは「どちらかというと好き」と答えているが,成績が下位になるほど少なくなる。しかし,下位の生徒でも,1年生ではその約50%が「好き」あるいは「どちらかというと好き」と答えている。
※本調査,各教科における「上位」「中位」「下位」の基準について各学級の生徒の成績を5段階で評定し,5と4にあたる生徒を「上位」,3にあたる生徒を「中位」,2と1にあたる生徒を「下位」とした。