福島県の中学校の学習に対する意識と行動-030/115page

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2 国語における学習行動

(1) 理解(文学的文章の読解)

 ここでは,最初に文学教材の一部を提示して,普段の学習行動を想起させながら,回答させた。

(例)中学2年「子守歌」加賀乙彦

 初七日に父の遺骨を埋葬してしまうと,少女は一人マンションにもどった。この一週間,大勢の人が出入りし,絶えず頭を下げ,八方に気を配っていたのが,にわかに静かになり,一人線香臭い場所にとり残されている。それが妙に寂しい。(以下,略)

 課題解決に当たって自分で考えようという意欲は持っているものの,実際には自分では考えずに答えだけを求めるような依存的な生徒が少なくない。特に,話し合いにおける発表については全体的に消極的であり,発表して意見をたたかわせようとする意欲に乏しく,友人の反応を見てから自分の考えを決めるといった主体性の乏しさが伺える。とりわけ3年生に,主体的な取り組みをあきらめるような消極性が目立つとともに,下位の生徒ほど,課題解決に当たって依存的であるとともに,課題解決の過程を回避して答えの正誤を重視するような傾向が強いと言える。また,国語が嫌いな生徒ほど,自分なりの思考や判断よりもあいまいな印象を重視する傾向が見られる。

1) 分からない語句があったとき

分からない語句があったときどうするか
分からない語句があったときどうするか

 自分で調べるという生徒は比較的少ないとともに,誰かに聞く場合は友達に聞くという生徒が多く,教師や家の人に質問する生徒はごく少ない。また,学年が進むにつれて教師や家の人に聞くという生徒が減少するとともに,3年生に「わからなくてもそのままにしておく」との回答が多い。



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