福島県の中学校の学習に対する意識と行動-069/115page
数学で特に嫌いな内容(意識別2年)全人数比 数学が嫌いと答えた生徒:「算数・数学で特に嫌いな内容」の回答を見ると,Aグループでは「関数と比例」が最も多く(人数比70.6%),次いで「空間図形」が多い(同58.8%)。Bグルーブでも「関数と比例」が最も多く(同60.8%),次いで「式の計算」(同49.4%),「空間図形」(同46.8%),「方程式」(同44.3%)も多い。Cグループでは「空間図形」が最も多く(同81.2%),次いで「関数と比例」および「平面図形」(ともに同75.0%)など,半数以上の生徒が嫌いと答えている単元が多い。
(3) 数学学習の意欲や目標
多くの生徒は,成績をよくするためや受験のためのものとして,功利的・受動的に数学の学習をとらえている。特に,成績が下位の生徒ほど,数学の学習の目的として高校入試を強く意識している様子が伺える。数学に対する肯定的な意識が高い生徒でも,数学が好きな生徒は内発的で主体的な学習意欲を示しているのに比べ,数学が嫌いとする生徒にやや依存的な学習意識が見られる。
また,学年が進むにつれて,そのような外発的な動機によって学習する生徒が増え,数学そのもののよさや面白さなどの内発的な動機によるものが大きく減少する。そして,数学が好きな生徒では,難易度の高い問題演習の必要性を感じるようになる一方で,数学が嫌いな生徒では問題演習の量的な不足を感じる生徒が多くなる。
さらに,生徒たちは,ほとんどの領域について学習の意欲を持っているものの,学年が進むにつれて,数学の好きな生徒には,これまでの学習の仕方に満足してしまうような生徒も少なくない。一方,数学の嫌いな生徒には,授業や家庭学習などのふだんの学習の充実の必要性を感じている様子が伺える。