(2) ボーダーラインデータの一部が上昇した場合
大学入試に有効な成績の範囲が、遺憾ながら厳然として存在することも事実である。本県の多くの高校生の志望する地方国公立大学に合格可能な範囲は、偏差値でいえば、低めに見積もっても45以上であろう。それ以下では、合格はまずおぼつかない。
端的にいえば、偏差値45〜55の生徒がどれだけ成績を上げれるかで、地方国公立大学の合格状況は大きく様変わりするものと考えられるのである。
そこで、この偏差値45〜55ないしは60の層に焦点を当て、30%、50%の生徒が、偏差値3ないし5ポイント上昇したときに、全国順位がどう変わるかについてまず検討し、その後本県の高校生の代表的志願校である東北大学と福島大学の合格状況がどう変わるかについて検討したい。
(ここでは、5教科総合のグラフのみ示す。英語、数学、国語については巻末参照)
1) 偏差値45〜55データの30%が偏差値3ポイント上昇した場合
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5教科総合…41位
英語…36位
数学…44位
国語…12位 |
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「進学希望者のみ集めて、熱心に補講や個人指導をして努力をした場合」というのがまさしくこの状況であろう。これは、後述するように比較的易しい国公立大学の進路指導としては、大きな意味を持っている。
[5教科総合]
平成6年センター試験5教科総合シュミレーション
(偏差値45-55データの30%が偏差値3上昇)
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元の分布
平均点 |
標準偏差 |
全国順位 |
494.1 |
90.3 |
45 |
シュミレーション分布
平均点 |
標準偏差 |
全国順位 |
498.7 |
91.7 |
41 |
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