『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-100/142page
5 星を点像に写す方法
固定撮影では,露出中にフィルムの上の星像が位置を変えていく。その移動量は,その星の赤緯とカメラレンズの焦点距離,露出時間に依存する。カメラレンズによって,フィルム上に生ずる星像の直径は,理想的なレンズで0.03mm程度,一般には0.05mm以上とされている。したがって,星の移動量がその程度になるように露出時間を決めれば,ほぼ点像に星を写すことができる。
表は,固定撮影によって,星を点像に写すための露出時間の上限を示したものである。
オリオン座と冬の大三角
(レンズの焦点距離=35mm,露出時間=60秒露出)
6 固定撮影による極限等級
固定撮影では,星の光をフィルム上の1点に長時間にわたって蓄積することができず,ある限界以下の暗い星は写らない。固定撮影で撮影できる限界の星の明るさは,レンズの絞り(□径),焦点距離,フィルムの感度,星の赤緯などによって決まってくる。同じ条件で,天の赤道から離れて天の北極付近を撮影すると,星の光がフィルム上にとどまっている時間が長いので,より暗い星まで写る。
表は,ISO 100のフィルムを使って,天の赤道上を撮影した場合,撮影できる限界の星の明るさ(等級)を示したものである。