研究紀要第2号 教授組織に関する研究 実践集 - 034/047page

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(5) 授業の検証

@ 学習の評価

この学年の子どもは、筋力が発達していないためか、両腕でからだをささえることが劣っている。また運動動作を大きくし、極限に迫ろうとする意識に欠けている。それで合併授業による大集団での授業は、自己調整の面で効率的であり、体操に対する目のかがやきが変ってきている。特に関連的な集団行動が身についたことは効果的であったと思われる。

器械運動(とび箱)については、程度(能力)別基準により、3つの小集団学習を中心とした。

この集団は固定したものでなく、全過程をとおして、向上の度合から2回の編成替えをする。上位グループは、さらによくなろうとし、下位グループは、上位に進みたいといった努力がはっきりみられ、懸念されていた、安心感や卑屈感はみられず、相互に励しあったり、援助し合ったりして効果的な学習であった。特に下位グループの向上が目立ち、第7次以後は、Cグループが皆無の状態となる。

A 集団の再編成

大集団の編成は、時間的な配慮を中心として確かめることにしたが、全過程一律の配当よりも、差異をつけることが、子どもの関心を高めたように思われる。小集団編成では、第2次、第5次に編成替えをした。編成替えは、向上の度合によって、単位時間内にも行なわれるべきであろうが、子どもに安定感と余裕をもたせる意味で、この学年では時間単位の編成替えがよいと思われる。

B 教師の役割・分担

主となる役割・協力的な役割で、ともに主体的に取り組むことをたてまえとし、集大成としての教育効果を期待することにしているが、この点については、ローテーション方式、程度別集団での取り扱いのため、充足感をもつことができたことは、役割・分担が適切であり、効率的であったと思われる。協力的な役割は、とかく主体性に問題があると思われるのであるが、安全管理、個別的な指導(自己調整カードを含む)などで、満足感をもつことができた。

 

 16 高学年体育の検証

(1) 研究のねらい

 「体育の合併授業における個別化・集団化と教師の役割・分担」

高学年においては、各種の運動をとおして、筋力・調節力・持久力を養うことになる。そのためには、可能な大集団で自己調整ながら、能力差に応じた小集団での学習を加味することにより効果的・効率的な学習展開をはかることにする。

そのための研究のねらいを具体的にあげると、次のようになる。

 ア 2学級を合併し、客観的な自己調整をはかるとともに、ある過程での能力別小集団の計画・実践により、合併授業のあり方を確かめる。
 イ 内容構成と集団編成の関係から、教師の役割・分担のあり方をとらえる。

(2) 5年題材とその取り扱い

   題材 体操・陸上運動 「走り高とび」

走り高とび

この学年における走り高とびは、記録の向上よりも、とび越し方の基礎的技能(フォームづくり)を身につけさせることである。しかし児童は、フォームよりもどれだけ高くとべるかに興味をもち、低い横木ではとびたがらない。興味をもたせながらフォームづくりをするには、教師の専門性によることは当然であるが、多人数の中で、よい演技を観察し、積極的な自己整理をうながすこともたいせつと思われる。それで大集団で観察・調整し、小集団でローテーション方式をとり、個別的取り扱いを考えることにする。

小集団の再編成については、教材内容を助走、・踏み切り、空中姿勢、着地の面から分折検討し、教授の要領から、能力別の基準を決め、それによって3つのグループ分けをする。このグ


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