研究紀要第7号 児童生徒の生活意識と社会観に関する研究 性文化に関する調査 - 014/052page
りたくないとか,ボーイフレンドがほしいとか,お金がもうかるだろうなと,経済や人間性と結ぶ子がでて,小学校との質の異なりをみせている。
社会的批判としては,小学生より高校生にいくにしたがって批判的になりやすく,いやらしいとかエッチだとか,なぜあんな映画をつくるのかという意見が多い。
中学生は,映画をみて何になるか。まだ見るのは早いとか,自分への規制の意見が強くなり,高校にいくにしたがって,18才以下はなぜ入場できないのか,公にかんばんにださないとよいとか欲求不満のあらわれでだすのかなど,きびしい批判力とかわってくる。
特に高校生の女子になると社会への規制が強いと批判的である。高校男子の16.9%から高校女子の43.4%を比較すると倍以上の率を女子が示しているのをみてもわかるであろう。
ついで絵や場面への説明をすなおに見てとっている状態が小学生ほどみられる。
小学生では,はだかで寒くないのかとか,字のかんばんにしてはどうか。ませた子が見ているのかという意見がでているが,中学生になると,この俳優はたいへんだなあとか,相手ヘの同情も加わってくる。高校生では,年令による差で,男子より女子の方が裸体に対して刺激され,社会批判となってあらわれる。女子の否定パーセントが男子にくらべ多いことをみてもわかる。反面女性は,性的刺激を男子よりうけやすいし,間接的に刺激される率も見受けられる。
男子は積極的反応で,見たいという意見は、中学生48.8% 高校生60.5%の高率を示している。
いちめん関心のないものが,小学生男子1.9%女子の40%、中学生男子の8.4%と女子の18.4%となり,高校生ヘいくと男子23.5%,女子19.7%という結果を示し,関心のないものがやや多くなる。
わからないという意見のものが,小学生が多く特に農村の女子に多い。中・高生にいくにしたがって、刺激に敏感に反応する反面,無関心にすぎるものが,中学生13.4%(平均)高校生21.6%(平均)とでてくるのも興が深い事実である。このように無関心のものが思春期に多くなることは,性知識や性行動のめんで指導の手をいっそう加え,教育の軌道に組みこむ必要があるのではなかろうか。
特に女性の社会的地位や性に対する恥らいは,社会的通念で,調査結果にあらわれたのは,小学生の一部と中学生の農村女子にみられたが,他は男女差というよりは,地域差がいくぶんでた程度で,有異差は,あまりみられない。
3.情報との接触
(1) セックスについて話を聞きたいかどうか。
小・中・高生は,性的知識についてどれほどの欲求度があるか聞きただしたところ,つぎのような調査結果がでた。
−聞きたい人 セックスについて聞きたいわけ−
ア 小 学 校