研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 053/066page
〈表9〉 地区別1台当りの学級数
(3) 学校規模別にみた小学校・中学校における教育機器所有状況
〈表11〉は小学校・中学校を表のように学級数によりT〜Yに区分し,規模別に所有状況をまとめたものである。
これをみると,まず,小学校と中学校に同じような傾向がみられることがわかる。この傾向を分析してみると,テープレコーダー,OHP,スライド映写機,テレビ,8ミリ映写機,スクリーンは学校規模に関係なく高い所有率を示し,その所有数は8ミリ映写機はほぼ同じであるが,他の機種は規模に応じて増している。つぎに,学校規模が大きくなるにしたがって所有率も増加する機器としては,テレビカメラ,VTR,反応分析装置があり,あまり顕著ではないが16ミリ映写機,TP作成機,視聴覚教室,資料室にもその傾向がみられる。
逆に小規模校が所有率の高い機器として,小学校のシート式録音機をあげることができる。
また,OHP,テレビ,視聴覚教室などは,25学級以上になると1校当りの所有数があまり変わらないため,1台(室)あたりの学級数が逆に増加してくる。ほかに地域区分(特A,A,B,C)による集計を試みたが,大規模校は都市部に集中しておりへき地(C地区)には小規模校が多いことから,この規模別集計の傾向とほぼ同じ結果を得た。
(4) 学科別にみた高等学校の教育機器所有状況
高等学校を普通科を規模により2つに分け,それに職業科と定時制を加え,それぞれの学科別に教育機器の所有状況をまとめたのが〈表12〉である。
これをみると,学科間に大きな差はなく,同じような傾向を示している。
特徴的なところをあげてみると,普通科は大規模校と小規模校とにやや差がみられる。
商業科は反応分析装置,LL,資料室など高い率を示し,工業科はOHPの1台当りの学級数が低く,2学級に1台の割で所有し,スクリーンも同じ割合で設置されている。農業・家政科は所有率ではあまり差はないが,OHP,テレビ,16ミリ映写機,スクリーンなどの所有数が少ない。定時制は,視聴覚教室,資料室などの施設の設置率が低い。
つぎに,昭和48年11月,全国普通科高等学校長会によって発表された「教育機器設備基準試案」を参考にして,本県と比較したのが右の表である。この基準をもとにすると,かなりの差が認められる。
〈表10〉 設備基準との比較表
※24学級についての基準
試 案 本 県テープレコーダー
OHP
スライド映写機
テレビ
テレビカメラ
VTR
8ミリ映写機
16ミリ映写機
反応分析装置
スクリーン20台
38
11
40
2
6
3
2
3
3817.1台
6.8
6.6
5.2
1.3
2.7
1.3
1.6
0.4
9.9