研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 056/066page
(5) 特殊学校における学校種別の機器所有状況,
特殊学校の各種別ごとの共通的な教育機器の所有状況をまとめたのが〈表13〉である。
全体的にみて各校ともこれまでの教材基準数に達している機種も多くみられるが,新しい教材基準ではテープレコーダーが9〜13,0HPが12,スクリーン15,それにテレビも学級数以上になっており,このことから考えるとまだ充分とはいえない。2 教育機器の利用状況
調査にあたっては,おもな教育機器名,教科・領域名をあげておき,該当する教科・領域に○印をつける方法を採用した。
つぎに,このような方法で得た結果を示し,その分析を試みてみる。(1) 教育機器の機種別の利用状況
次頁(図5)左側の円グラフは,教育機器の利用度数を比較しやすいよう百分率になおし,グラフ化したものである。
このグラフから各校でどのような機器がよく利用されているかがわかる。
OHP,テープレコーダー,スライド映写機は学校種別に関係なくよく利用されており,学校種別の特徴としては,小学校ではテレビ受像機の利用度が他の学校より高く,中学校では特にOHPの利用が多く,それに関連してTP作成機の利用度も高くなっている。高等学校では16m/m映写機,VTRが,特殊学校ではテレビ受像機,16m/m映写機が高い利用度を示している。また,利用度は低いが,小学校でシート式磁気録音機,中学校では反応分析装置,高等学校でテレビカメラが入っているのも特徴の1つとしてみることができる。
このような調査では,所有率の高い機器が当然利用度数も多くなるわけであるが,8m/m撮影機,8m/m映写機,中・高校でのテレビ受像機は所有率がかなり高い割には利用度が低い。反対にVTRは所有率が小・中学校では50%以下であるが,所有校でよく利用されていることになる。
半数以上の教師が利用している機器としては,小学校でOHP,テープレコーダー,テレビ受像機を,中学校はOHPを,高等学校は該当する機器がなく,特殊学校でテープレコーダー,スライド映写機,テレビ受像機をあげることができる。ほかは1部の教師の利用が多い。
つぎに,それぞれの機器がどの教科・領域で利用されているかをまとめたのが〈表14〉である。
小学校・中学校・高等学校・特殊学校とも順位に差はあるが同一機器が同じ教科・領域で利用されており,機器のそれぞれの特性を生かして用いていることがわかる。
また,理科・社会科・保健体育科などは各種機器を幅広く利用しているが,国語科,算数・数学科は特定の機器を重点的に利用していることもわかる。(2) 教科・領域別の利用状況
(図5)の右側の円グラフは教科・領域等での教育機器の利用のようすを示したものである。
これをみると学校種別に関係なくほぼ全ての教科・領域で教育機器が利用されていることがわかる。
利用の度合は,小学校・中学校・高等学校で順位がことなるが,社会,理科での利用は共通して多い。また,小学校での道徳での利用,高等学校,特殊学校での体育での利用,中学校での各教科,領域でのあまり差のない利用など,特徴としてあげることができる。
つぎに,教科・領域ごとにどのような機器が多く利用されているかをまとめたのが〈表15〉である。
いずれの教科でも,教科の特質に応じて機器が利用されており,OHPはどの教科でもよく利用されていることがわかる。3 教育機器の利用について研修状況
ここでは学校において教育機器に関する研修が