研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 068/081page

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桁数は別として乱数の形式上のパターンは,こんなものであろうか。
 われわれが取り扱う乱数というものには,次のような性質がある。

(1) 数列はまったくでたらめで規則性がない。したがって,一連の乱数列においては,前に出現した数から,あとに出現する数を予言することが不可能である。(無規則性,無相関性)

(2) たとえば,0から9までの乱数というふうに数値の取り得る区間があって,さらに細分化した小区分における数値の出現度数は等しい。
(等確率性,等分布性)

2 乱数のつくり方(従来の方法)

 乱数列は数の大きさよりも,次に出現する数が未知であるところに特色があり,おもしろ味がある。これを数人で言いあてて競うゲームになると賭(かけ)に発展する。
 硬貨を投げて「おもて」か「うら」で役を決めたり,サイコロを振っては丁(偶数)か半(奇数)かに有り金を賭けた遊び人の話,モンテカルロのカジノで回転するルーレットに興じた貴族や紳士たちの姿がまざまざと眼に浮ぶ。

 乱数は,古今東西を問わず,遊びの場でつくられたらしい。われわれも古人に手法を学び,楽しみながら乱数づくりに興じたいものである。

(1) サイコロ投げ

○正六面体のすごろく用のサイコロで,1から6までの等確率(1/6)の乱数が得られる。
○正二十面体の各面に1から10までの数字が2回ずつ書かれているから,1から10までの乱数が求まる。このサイコロを乱数サイという。

(2) トランプ

○ジョーカ1枚,(A,2,3,4,…Q,K)の各4組,計53枚から構成されている。
理論的には1から53区間までの一様乱数も作れるが,1から10(1/10確率)の乱数は,各組のエースと2から10までの札を計40枚つかう。
よくきって混ぜ合わせ,4枚抜きとる。抜き取った順に数字を書いてゆく。書き終ったらよくきって混ぜ合せ,また4枚抜きとる。これをくり返す。数字の読み方は,10を0とすれば,0から9区間の乱数となる。

(3) ルーレット

 おもちゃ店に行くと,千円から二千円くらいの値段で売っている。本体のルーレットと球,チップとチップをはるテーブル,そしてルールの書いた説明書が付いていて,乱数の実験以外に家族と楽しむには手頃のセットである。
 回転する円盤のまわりに,36の溝がついていて球をほうりこむと一緒に回り,円盤が静止したとき,ある溝に入り,番号(1〜36)がわかるようになっている。いろいろな乱数列が工夫できる。

(4) 乱数表を引く

 乱数表には,JISやJSAの乱数表,北川表などがよく使われる。いずれも十分に検証されているので,正しい使い方さえ覚えていれば,安心して利用できる。次の数表はJSA(日本規格協会)の一様乱数表である。
表2−1
表2−1

 乱数表の使い方
@とり出しの出発点は,どこからでもよい。目を閉じて鉛筆を落すとか,自分の生年月日の月を左側の行数に合わせるとかしてきめる。

Aあとは順序にしたがってとり出すが,とびとびにとることはいけない。1行終ったら,次の行に移り,とぎれないようにする。


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