研究紀要43号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究U (第2・3年次) - 036/049page
X 研究のまとめ
1 研究のまとめ
学校経営の改善に関する研究の一環として,昭和53年度から3年間にわたって「学校経営評価に関する研究」を進めてきたが,本研究紀要の発行をもって,その調査研究を一応終了したい。
学校経営の評価は,学校経営の現代化と表裏の関係にあり,今後一層の開発に待たれることが多いのである。今後は現場における各学校の主体的・研究的な態度による自校化とその実践が切に望まれるところである。
今,本研究の終了に当たって,当調査研究のあゆみをふり返り,その成果を箇条書きにまとめ,あわせて今後のことにもふれておきたい。(1) 第1年次
@ 学校経営及び学校経営評価の基礎的研究
A 学校経営評価に関する県下各学校の実態調査と問題点の整理
以上の二つの課題に取り組み,その調査研究の成果をまとめ研究紀要第36号を発刊した。(2) 第2・3年次
@ 学校経営評価の基本的構想の設定
A 学校経営評価試案の作成
B 学校経営評価試案の検証
以上の三つの課題について2年間取り組み,その調査研究の成果を,本研究紀要(第43号)にまとめた。以上の調査研究をとおして明らかになったことを,項目的にまとめると次のとおりである。
○ 学校教育の現代化を図るには,学校経営の現代化をめざす経営改善が必要である。
○ 学校経営の現代化をめざす経営改善のためには,「学校経営評価」が重要である。
○ 県下各学校でも,学校経営評価の重要性を認め,客観的,総合的な「学校経営評価票」の開発を要望している。
○ 学校経営の現代化をめざす学校経営評価票の開発のためには,次の三つの観点から経営評価のあり方を見直す必要がある。
・ 学校教育本来の目的である教育的機能を重視した経営評価のあり方。
・ 学校経営体の組織・運営を生かす動態的な経営評価のあり方。
・ 実践過程や経営過程の考え方に立つ,経営評価のあり方。
○ 現場で活用される実用性と妥当性のある「学校経営評価票」を作成することが大切である。2 今後の課題
学校経営現代化の課題と県下各学校における学校経営上の課題を結びつけた「学校経営評価」に関する調査研究の結果,当評価試案が開発・作成された。また,その実用性,妥当性は,研究協力校における試行及び調査により検証されているが,さらに検討改善の余地は残されている。
今後は,当評価試案が県下の各学校において数多く活用され,その実践状況の報告等をとおして,さらに新しい課題をさぐるとともに,学校教育の発展充実を図る学校経営改善の視点からも,学校経営及び学校経営評価をめぐる諸問題について,長期的・継続的に調査研究を進めることが必要であろう。