研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -050/090page

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TSS端末を使用した自動製図,NCテープ作成について

――高等学校――

科学技術教育部  中野 敏光

1.はじめに

急激に発展する社会の情報化に対処して,情報処理教育の必要性が広く認められるようになり,そのための施策がいろいろと進められている。

当福島県教育センターでは,開所時に設置した中型電子計算機システムFACOM230−25が10年の歳月の経過とともに旧型となり,エレクトロニクス技術の進展がもたらした新しい情報処理に十分な対応が困難となってきた。

昭和56年9月,新システムが導入されて1年半を経過したところである。

新システムは,FACOM M−160Fをホストコンピュータとして,キャラクターディスプレイ装置をTSS端末として48台導入し,タイム・シェアリング・システム(TSS)による会話型処理を中心に処理を行っている。また,自動製図システムも同時に導入され,自動製図の実習はもとより,数値制御工作機械(NC)実習のNC指令テープ(NCテープ)の作成もFORTRAN,COBOL,BASICプログラムの処理と同様にTSS端末から入力し,文法チェック,修正の後に紙テープに出力され,自動製図機で描画し,論理エラーの無いことを確認した上で実際に切削加工を行っており,効率のよい生徒実習が行えるようになった。

言語別の文法は別にして,TSSを一度体験し,慣れておけば,電子計算機を使用した情報処理教育が円滑,効率的に行われている。

以下,TSS端末を使用した会話型プログラム処理と自動製図プログラミング・NCテープの作成について,自動製図機に描画するまでの流れを中心に記述する。

2.当センターのコンピュータシステム

(1) ハードウエア

[1] 中央処理装置FACOMM−160F

主記憶装置は,6MBで,磁気ディスク装置とともに48台のTSS端末運用の要となっている。

[2] 磁気ディスク装置

1スピンドルが200MBで,1台2スピンドルの磁気ディスク装置を3台設置し,クロスコール方式を取り入れて,TSS処理の応答時間を短縮するようにしている。

[3] キャラクターディスプレイ装置

最大48名の生徒が同時に実習できるように,48台のキャラクターディスプレイを設置した。プログラムの作成開発は,各種の言語が使えるし,ソースプログラムの作成,ディバック,実行の一連の作業をディスプレイ画面に表示させて,CPUと対話しながら行うことができる。このため,実習効率が飛躍的に向上した。

[4] 日本語ラインプリンター装置

[5] 図形処理用装置

ア.自動製図機   武藤 7031M/S II
イ.座標読取機   武藤 T III−0912
以上の装置の他に日本語プリンターなどを利用することによって,設計製図・型紙作成・統計グラフ作成・NC工作機械実習などができる。

[6] その他の装置

各学校に設置されているシステムと当センターのシステムとに互換性をもたせるため,NCテープ作成機など,各種の入出力装置を導入した。


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