研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -038/075page
11. 教育目標と特別活動(児童会活動)の指導内容との関連づけについて
(1) 問題点
「特別活動の指導で,その内容に学校の教育目標を関連づけて考えているか」という設問に対して「全内容で考えている」という教師が約47%(N=310)で最も多く,「考えていない」と回答している教師は約3%である。
このことは,特別活動は,教育目標との関連が密接であると考えている教師が多いことを示している。「考えていない」と回答した教師に対して「その理由は何か」という設問では,ほとんどの回答が「特別活動の内容には,教育目標の内容が含まれているから」としている。これは,特別活動に示されている目標が,自校の教育目標の内容と共通している面が多いと受けとめているためであろうと思われる。
このような考え方には,うなずける面もあるけれども,問題は,どの内容や活動を中心にして教育目標との関連を図るにしても,“たまたま教師の思いつきで関連を図る”とか“教育目標を二次的なものと考え,各内容の目標中心にすすめるようなことがあれば,真に関連を図ったことにはならないということである。
(2) 基本的な考え方
特別活動は,望ましい集団活動を通して個性を伸長すると共に,自主的,実践的な態度を身につけながら,調和のとれた人格を形成するうえで,重要な意味を持つ教育活動である。
従って特別活動の内容には,教育目標を達成するための活動要素を直接的に包含するものが多くその意味で指導計画を作成し,実践するに当たっては,教育目標との関連をち密に考えて計画し実践に移すことが肝要であろう。
その場合基本的には,次のようなことが考えられるであろう。
1) 教育目標(年度の重点目標,具体目標)と特別活動の各内容との関連を学年とか委員会等の活動母体を考慮して検討する。 2) 指導内容とか活動内容を目標行動としてとらえ,それと教育目標との関連づけを図りながら,年間及び月別指導計画を作成する。 3) 活動の実施計画は,具体的活動場面をとらえて教育目標との関連を的確に位置づけ,そのの点に特に留意して指導に当たる。 (3) 児童会活動に,学校の教育目標を関連づけた例
1) 児童会各委員会のめあてと,教育目標との関連
(◎; 各委員会ごとの重点目標)