研究紀要第69号 「『関心・態度』の評価に関する研究 III」 -016/058page

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[3] 検証授業IIIの指導計画及び評価計画

単元名 情景を想像しながら  「やまなし」(宮沢賢治)   第8時限目

段階 学習活動・内容 時間 教師のはたらきかけ 予想される反応 指導上の留意点
めあてを持つ 1.前時の学習内容を想起して,本時の学習のめあてをたしかめる。
(1)前時の学習をふりかえる。

(2)本時のめあてをつかむ。
想像豊かに描かれたスケッチをもとに,話し合い発表学習を通して,「五月」と「十二月」の情景を対比的にとらえたしかめる。
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○前時の学習で描いた「五月」と「十二月」のスケッチを用意しましょう。○今日の学習のめあては何ですか。



○スケッチを机上に用意する。

○「五月」と「十二月」の情景をたしかめあうことです。
○「五月」は“かわせみ”のでてくるところ,「十二月」は“やまなし”のでてくるところを描いていることを確認する。
○机間巡視しながらスケッチのでき具合を観察し,次の段階に入りやすくする。
調べる 2.描いたスケッチをもとに,「五月」と「十二月」の情景を対比しながら発表する。
(1)発麦する。
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自分のスケッチを見ながら発表してみましょう。

○あらかじめ学習の分担を決めておく。

・進行係……教師 ・スケッチ係……2名 ・発表者……3名
○児童の使用している用紙と同様に「五月」と「十二月」を対比して描けるようなOHPを準備しておく。
○はじめ3名の児童に発表させ,同時にスケッチ係がそれをOHPに描く。
(2)話し合いをする。 20 ○おおよその「五月」と「十二月」の情景ができましたが,他につけ加えたり,修正するところはありませんか。

・「光」・「色」・「音」

・「時間」・「季節」
・「水面」・「水中」・「水底」

・「2匹の子がに」・「父かに」
・「魚」・「かわせみ」・「やまなし」

・「クラムポン」・「イサド」
・「擬声語・擬態語」
・「比喩」

○今までにでたほかに,何かつけ加えることはありませんか。

「五月」 「十二月」
・日光の賞金(明),白,音なし
・昼,春
・白いかばの花,底の白い岩
・小さい,大丈夫,心配するな
・「魚」…かわせみに食べられる
・「かわせみ」…鉄ぽうだま,魚をとる
・「クラムポン」…あめんぼ,プランクトン
・かぷかぷ,ぶるぶる,くしゃくしゃ
・水銀のように,鉄ぽうだまのよう,コンパスのように
・月光(暗),青,ドボン
・夜,冬
・青いほのお,丸石,水晶のつぶ
・大きくなり,どうだ,いいにおい
・「やまなし」…ドブン,いいにおい,ぼかぼか

・「イサド」…磯のあるところ
・サラサラ,もかもか,ドブン,ぼかぼか
・ラムネのびんの月光
 遠眼鏡のような
○おおよそのスケッチができたところで,挙手,指名により,さらに情景を補足・修正させる。

○児童がわかりやすい情景とつかみにくい情景をすばやく判断し,ポイントをおさえたとりあげ方をし,羅列的にならないように配慮する。


○児童のイメージにそれぞれひらきがある場合には,多くの発表を促し,葛藤場面をつくり,話し合いの中で情景をしぼり,定着させていく。

※自分の描いたスケッチには,ここでは修正したり,つけ加えたりしないように指示する。


○できるだけ多くの児童に発表の機会を与えるように配慮する。
まとめる 3.本時のまとめをする。
(1)「五月」と「十二月」に描かれている情景をたしかめる。
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○みなさんの,たくさんの発表をもとにして,「五月」と「十二月」の情景を描いてきたところ,OHPのようになったようです。OHPを見たり,今までの話し合いを参考にして,自分のスケッチを見直してみましょう。


・つけ加えるところ
・修正するところ

○本時の学習でとらえた「五月」と「十二月」の情景や話し合ったことを参考にして,自分のスケッチをつけ加えたり,修正したりする。

○作品の情景があまり拡散しすぎないように配慮させる。
○同時に,あまりにも画一的にならないように配慮し,個々のとらえたイメージを尊重してやる。


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