平成元年度 研究紀要 Vol.19 -000-01/135page

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 ま  え  が  き

 21世紀の教育を展望した教育課程の基準が改訂になり,その基本方針の中に「心豊かな人間の育成」「基礎・基本の重視と個性を生かす教育」「自己教育力の育成」が示されています。
 本教育センターでは,こうした教育に対する要請に応じ広い視野に立って,児童生徒一人一人をどう生かすか,そのための私達教師の指導力の向上に視点を当て,教育上・実践上の諸問題を取り上げて本県教育の充実と向上に資するため,各部それぞれに主題を設けて研究して参りました。
 学校経営部の「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究」は,自己啓発に支えられた校内研修のあり方を究明するのがねらいです。第3年次の本年度は,第2年次に作成した「校内研修のあり方・すすめ方」の試案を協力校に実際に使って頂き,その実践報告を集約検討し,試案の修正改善を図る研究をしてきました。
 学習指導部の「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究」は,基礎的・基本的な内容を身につけさせる過程を通して児童生徒一人一人の個性を生かし,伸ばす学習指導のあり方を研究するのがねらいです。第3年次の本年度は,小学校図画工作科,中学校英語科について,協力校での検証授業の実践を通して,基礎的・基本的な内容の定着を図る手だてと個性を生かし,伸ばす手だてをいっそう具体化する研究を進めてきました。
 科学技術教育部の「情報活用能力の育成に関する研究」は,高度情報社会の中で主体的に情報を選択し活用する能力を育成するための実践プロセスを明らかにするのがねらいです。第2年次の本年度は,第1年次研究の実践プロセスとその試行,検証の結果にもとづいて,さらに多くの研究協力校で実践を重ね,主体的な情報活用能力を育成するための手だてを実証的に追究してきました。
 教育相談部の「事例を通した教育相談の進め方に関する研究」は,教育相談においてより的確で効果的な「予防的な指導援助のあり方」を確立するのがねらいです。第2年次の本年度は,第1年次に導き出した予防的な指導援助に必要な12の要点,とそれに基づいた基本的対応が予防的な指導援助に有効であることを,学校での実践を通して確認してきました。
 以上4つの部の研究内容を合本し,研究紀要としてここに刊行致しました。研究内容はいずれも理論的な基盤の上に立った実践的な研究であり,各校の教育活動にすぐに役立つものと考えております。どうぞ,ご活用下さい。
 最後になりましたが本研究推進に際し,ご尽力賜りました研究協力校,研究協力員の方々,並びに関係機関の方々に心から感謝申し上げます。


 平成2年3月
   

福島県教育センター所長 津 田 俊 晴


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