平成2年度 研究紀要 Vol.20 -000-01/123page

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ま  え  が  き

 各学校では、新学習指導要領の告示に伴い、その趣旨を生かし、社会の変化による児童生徒の生活や意識の変容に配慮しつつ、生涯学習の基盤を培うという視点から教育課程の改善に努力しているところです。

 本教育センターでは、こうした教育の現状を踏まえ、広い視野に立って、児童生徒一人一人の生かし方、そのための教師の指導力の向上に視点を当て、教育上・実践上の諸問題を取り上げて本県教育の充実と向上に資するため、各部それぞれに主題を設けて研究して参りました。

 学校経営部の「個を生かす学年・学級経営に関する研究」は、児童生徒一人一人が主体的・自立的に自己実現を目指すことのできる学年・学級経営のあり方を研究するのがねらいです。第1年次の本年度は、県下各校教師の「個性重視」についての意識等の現状把握をし、「個」が生きるための学年・学級経営の問題点とその改善の方向を追究してきました。

 学習指導部の「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究」は、基礎的・基本的な内容を身につけさせる過程を通して児童生徒一人一人の個性を生かし、伸ばす学習指導のあり方を研究するのがねらいです。第4年次の本年度は、小学校算数科、小学校道徳について、協力校での検証授業の実践を通して、基礎的・基本的な内容の定着を図る手だてと個性を生かし、伸ばす手だてをいっそう具体化する研究を進めてきました。

 科学技術教育部の「授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究」は、児童生徒の主体的な学習活動を支援するための効果的なコンピュータ活用のあり方を研究するのがねらいです。第1年次の本年度は、その基礎研究として、新学習指導要領に示された各教科・科目における学習指導内容と学習活動の道具としてのコンピュータの機能との関連について追究してきました。

 教育相談部の「事例を通した教育相談の進め方に関する研究」は、教育相談において、より効果的な「開発的な指導援助のあり方」を追究するものであります。第1年次の本年度は、開発的な指導援助の基本的なとらえ方を明らかにし、その指導援助の実態と意識調査から、基本的対応を明らかにする研究を進めてきました。

 以上4つの部の研究内容を合本し、研究紀要としてここに刊行致しました。研究内容は、いずれも理論的な基盤の上に立った実定業的な研究であり、各校の教育活動にすぐに役立つものと考えております。どうぞご活用ください。

 最後になりましたが本研究推進に際し、ご尽力賜りました研究協力校、研究協力員の方々、並びに関係機関の方々に心から感謝申し上げます。

平成3年3月

福島県教育センター所長  津 田 俊 晴


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