平成11年度 研究紀要 Vol.29 -000-01/076page
ま え が き
21世紀を目前にして,国際化,情報化,少子・高齢化など,社会が大きく変化している今,そのような状況に的確に対応するためのさまざまな教育改革を積極的に進めることが求められています。
新学習指導要領においては,「ゆとり」の中で特色ある教育活動を展開し,子供―人―人に「生きるカ」を培っていくことをねらいとして,「教育内容の厳選」や「総合的な学習の時間の創設」を行うなど,これからの教育の方向性が示されました。
本教育センターにおいては,これまで,『生きるカ』としての『学カ』を育てる「学校教育の創造」を研究課題とし平成9年度より3か年の計画を立てて今日的な課題の解明に取り組んできました。
この研究は,「授業の改造」によって「生きる力をどう育てるか」という研究であり,激しく変化する社会を子供たちがたくましく生き抜くために必要な「生きるカ」をいかにはぐくみ,21世紀を展望した学校教育をどのように創造していくかについて,単に理念や理論にとどまることなく,具体的な実践研究を踏まえた上で提言しようとするものです。
研究の推進に当たっては,「教師の改造」「教材の改造」「学級の改造」「授業の改造」の4つの視点を設け,教育センターそれぞれの部の機能を生かして,具体的な「研究主題」を設定し,調査・研究を行いました。
今年度の研究主題は,次のとおりです。
1 「総合的な学習の時間」の理念の具現化に関する研究
2 学方向上のための授業改善に関する研究
3 子供の思考活動を活発にする教材の工夫・改善に関する研究
4 情報ネットワーク及び教育用ソフトウェアの教育的活用に関する研究
5 学級における人間関係づくりに関する研究
この「研究紀要第29集」は,これらの成果をまとめたものです。紙幅の限りもあり,十分に意を尽くせない面もありますが,各学校がこれらの教育課題の解決や教育実践の充実を図る上でお役立ていただければ幸いです。
おわりに,本教育センターの調査・研究に際し,ご協方を賜りました研究協カ校や研究協カ員の皆様,並びに関係機関の方々に対しまして,心より感謝申し上げる次第です。
平成12月3月
福島県教育センター所長 安 部 哲 夫