研究紀要第125号 「情報ネットワークの教育的活用に関する研究」 -050/076page

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ネットワーク上におけるデータベースの運用

研究の要旨

 コンピュータの利用形態は,従来のコンピュータを単体で使用するスタンドアロンからLANやインターネットに代表されるネットワークに急速に移り変わりつつある。教育の場においても,2001年までにすべての公立学校をインターネットに接続する計画が進められている。
 ネットワークの大きな特徴の―つは,情報(データ)を共有できることにある。コンピュータで扱うデータは文字(テキスト)をはじめ,画像・映像・音声などのマルチメディアから,表計算・データベースなどの実務的なものまで様々である。それらのデータを共有した場合に,最も有効にネットワークの特徴を生かすものはデータベースである。しかしすべてのユーザーがAccessなどのデータベースアプリケーションの操作ができるとは限らない。そこで,データベースの検索などの操作をWebページ上から行えるシステムを設計・開発した。 

I 研究の趣旨

 2001年までにすべての公立学校をインターネットに接続する計画が進められている。また,ボランティアを中心としてネットワーク利用環境の構築を支援する活動「ネットディ」やそれに類する活動も行われ,学校にネットワークが急速に導入されつつある。コンピュータをネットワークに接続すると,周辺機器・ソフトウェア・データが共有資源として活用できるため,単体使用のスタンドアロンに比べて,格段に使い勝手が向上する。
 コンピュータで扱える様々なデータの共有を想定した場合,最も有効に機能するものは,データベースであると考える。例えば,生徒名簿や図書資料などはコンピュータでデータベース化することにより,必要な情報や資料を瞬時に検索することができるようになり,活用の幅が広がる。また,それをネットワークで共有することにより,データの追加・変更などの編集作業を複数のコンピュータから行うことができ,作業能率の向上が見込まれる。さらにネットワークに接続されているコンピュータすべてから検索できることで,データベースから必要なときに必要なデータを得られるという利便性が発生する。そこで,本研究ではネットワーク上でデータベースを手軽に活用できるシステムの開発を目指した。

II 研究の内容

1 開発の基本方針

本研究では,次の2点に留意してシステムの情報構築を行うこととした。

(1)使いやすいインターフェイス
 ネットワークの特質から,複数ユーザーでの使用が前提となる。すべてのユーザーがAccessなどのデータベースアプリケーションの操作ができるとは限らないことを考慮し,機能をデータの検索・追加の2つに限定した。さらにインターネット経由での利用を視野に人れ,インターフェイスをWebページとした。

(2)運用・構築が容易なシステム
 ネットワーク上でデータベースを運用するシステムとしては,WWWサーバ(主にUNIX)上で操作するCGIやオラクルなどが―般的に利用されている。しかし双方ともシステムの構築や運用が難しく手軽に活用できるレべルではない。そこで,データベースアプリケーションとして広く使用されているAccessのデータベースファイルを活用することとした。
 検索条件入力・結果表示・データの追加などを行うWebページの作成をFrontPage,データベースへの問い合わせを行うSQLの作成をAccessで行えるようにし,ネットワークやデータベースに関する知識の有無に関わらず容易に構築できる汎用性の高いシステムを目指した。

2 開発環境・技術

 Accessとの親和性を考慮して,以下のような開発環境・技術のもとにシステムの設計・開発を行った。

・Windows NT Sexer 4.0
 

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