平成12年度 研究紀要 Vol.30 -000-01/074page
ま え が き
学校教育を取り巻く社会は,科学技術の進歩,情報化や国際化の進展等,変化の激しい状況にあります。これらの状況に的確に対応するために,今,種々の教育改革が推進されています。
新学習指導要領においては,ゆとりの中で特色ある教育活動を展開し,子供たちの豊かな人間性や自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育成することを基本的なねらいとし,基礎的・基本的内容の確実な定着心の教育の充実,個性を生かす教育の充実,豊かな国際感覚を持った日本人の育成などを,これまで以上に重視しています。
本教育センターでは,この新学習指導要領の趣旨を踏まえ,「生きる力を育てる学校教育の改革」を研究課題とし,本年度より3か年の計画を立て研究に取り組むことといたしました。
この研究は,激しく変化する21世紀の社会を,子供たちがたくましく心豊かに生き抜くために必要な「生きる力」をいかにはぐくむか,そのために学校教育をどのように改革するかについて実践的に明らかにするものです。学校教育の直接の担い手である教師の実践的指導力や児童・生徒の実態をとらえ,単に理念や理論にとどまることなく,具体的な実践研究を通した提言としたいと考えます。
研究推進に当たっては,教育センター各部の機能を生かして,具体的な「研究主題」を設定して取り組んでいるところです。
今年度の研究主題は次のとおりです。
1 特色ある学校づくりを目指す教育課程に関する研究
2 自ら学び自ら考える力を育成する授業改善に関する研究1
−児童・生徒が「学ぶ楽しさ」と「成就感」を味わえる授業を目指して−
3 自ら学び自ら考える力を育成する授業改善に関する研究2
−科学的な思考を促す授業を目指して−
4 情報ネットワークの教育的活用に関する研究
5 「人間関係をつくる力」を育てる指導援助に関する研究
−小学校における指導援助プログラムづくり−
この「研究紀要第30集」は,上記研究の成果をまとめたものです。紙幅の限りもあり,十分に意を早くせない面もありますが,各学校がそれぞれの教育課題の解決や教育実践の充実を図る上でお役に立てていただければ幸いです。
おわりに,本教育センターの調査・研究に際し,ご協力を賜りました研究協力校や研究協力員の皆様,並びに関係機関の方々に対しまして,心より感謝申し上げます。
平成13年3月
福島県教育センター所長 安 部 哲 夫