福島県教育センター所報ふくしま No.91(H01/1989.6) -035/038page
◇資料2の研究内容の要旨を掲げました。県下の小学校でも,「合科」「生活科」に関する研究等が今日的内容になると思われます。参考にして下さい。
1. 62153 の要旨
小学校2年生の合科的指導の年間指導計画を作成し児童の思考や行動の特性に応じた指導の手だてを工夫する。「環境学習領域(社会・理科)を中核におき,基礎学習領域(国語・算数等)と自立学習領域(道徳・特活)が,これに有機的にかかわり合う合科的指導のカリキュラムを作成することによって,児童の創造性の伸長を促す学習指導を展開することができる」とした。
2. 63139 の要旨
生活科において,考慮されるべき諸要素を,低学年理科及び合科的な指導についての議論と経緯をふまえ,教科構成,目標,内容構成,実施上の課題について検討を行った。さらに,生活科の内容構成については,未来からの視点,児童の発達上の特徴,他教科の内容との関連,評価,それらを考慮した教材と指導が重要であり,その基底には,育成されるべき諸能力からの視点が必要であることを指摘した。
3. 63233 の要旨
低学年児童の心身の発達の特性から,各教科を単独に指導するよりも教科の枠を超えて,作る,動かす,試すなどの児童の具体的な活動を主軸にし,関連深い複数教科の内容を合科的に指導した方が目標をより達成できると考えた。そこで,「音あそび」の合科的な単元を設定し,音の出るおもちゃと糸電話についての素材研究,教科の枠にとらわれない児童の活動を軸とした授業設計・授業実践及び授業評価を試みた。
以上,紙幅の都合で三つ研究の要旨を載せました。参考にして下さい。
◇当センター教育資料の中で,ベストセラー的に利用の多い資料に「教育アンケート収録年鑑」1986年版1〜5巻があります。これは各種アンケートの調査項目と,その分析結果の資料です。アンケートの項目設定に有効です。ご活用下さい。
教育センター閉庁日のお知らせ
いつも教育センターを利用いただきありがとうございます。平成元年5月より、 毎月第2週と第4週の土曜日は閉庁日 となりました。この日は業務を行っておりませんので、電話での照会や来庁されても要望にお応えできません。別の日にご利用下さい。
編集後記・教育改革元年とも言われる本年度最初の所報91号をお届けいたします。
・新たな学習指導要領の公示,初任者研修の小学校完全実施,中学校の試行等,教育界も一つの大きな転機となっています。当教育センターの研修講座もこうした流れの中で新しい体系のもとに研修事業が進められております。この新体系については,その概要を本号で3ペ一ジにわたって解説しておりますのでご覧下さい。
・この所報91号もこうした教育界の流れを受け,当教育センター津田俊晴所長の巻頭言「新たな試みのために」や郡山女子大学短期大学部名誉教授長谷川壽郎先生の特別寄稿「現職研修の充実」など,示唆に富む内容となっております。熟読され,その意とするところをおくみとり下さい。
・この所報が県下の先生方により役に立つ,身近なものとするため,新たな視点での教育相談紙上実践講座の掲載や受講者の研究内容報告,受講感想を多くするなど,前年度の反省を生かして編集してみました。今後もご意見,ご指導をお願いいたします。
・最後になりましたが原稿執筆を快くお引き受け下さり,玉稿をお寄せ下さいました関係の先生方に心より厚く御礼を申し上げます。
(編集担当)