福島県教育センター所報ふくしま No.101(H03/1991.11) -007/038page

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所員個人研究

物理簡易実験の工夫

科学技術教育部   村 山 正 之

はじめに
 物理領域では、シンプルな実験ほど生徒にとってその本質が見え、その中にある科学の論理を見い出し易い。ここでは講座等で実施した手軽な素材を活用したものの中から5例を示す。
1.空き缶滑走体
 清涼飲料水用のアルミニウム缶は質量が18〜19gのものが多く、スチール缶の約半分の重さである。これで無摩擦滑走体を製作し慣性の説明に利用する。10秒近く滑走が可能であるが、ごみなどが付いていない水平面が必要である。
 アクリル板(70×70×2mm)の角を切り落とし丸くしてその中央に直径1oの浅い穴を掘る。その凹みの真ん中に、熱した千枚通しで極めて小さい穴をあける。
 缶とアクリル板の接着は瞬間接着剤を用いる。

図1 穴のあけ方
図1 穴のあけ方

図2 圧縮空気を入れて滑走
図2 圧縮空気を入れて滑走

2.空気入れの減圧ポンプ
 ピストンをひいたときだけ空気を吸い込むように改造する。大気圧の1/50程度までは減圧できる。
1.ピストンの先端にある皮製のリングを逆向きにつける。
2.ゴム管取り付け口の逆流防止弁を外す。
3.プラスチック製注射器を利用して吸気弁を作り、それにビニール管(Φ5o)をつなぐ。なお、吸気弁は吸気口が鉛直下向きになるようにセットする。

図3 空気入れのピストン
図3 空気入れのピストン



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