福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.119(H08/1996.11) -041/042page
《教材の製作と活用》
「整数比の速さ」を求める装置
ーコンピュータを活用した速さの測定ー教育センター科学技術教育部
「速さと運動エネルギーの関係」を調べる実験を行うとき、整数の比になるような速さを求める装置があると便利である。落下する物体の速さは落下距離の平方根に比例するので、右図のように、斜面上にレールを固定し、基準線からの距離が整数の二乗になるような位置に目盛りをつけた装置を作り、各位置から金属球を転ばせば、基準線での速さの比はほぼ整数の比になる。
装置は、長さ90cmの木版にプラスチックレールを取り付け、左端から約25cmの所に基準線を引き、ここからの距離が整数の二乗になる位置に目盛りをつけ、また、きじゅんせんをはさんで幅約1cmのアルミ箔を2本のレールに計4枚はりつけて作る。このとき、基準線から前後のアルミ箔の右端までの長さが1.5cmになるようにする。さらに、速さの比を確認するために、コンピュータのマウス端子を使った時間計測装置と、速さとそれらの比を求めグラフ化するソフトウェアを開発した。コンピュータは、レールを転がってきた金属球が初めてのアルミ箔に接触して通電してから、次のアルミ箔で通電するまでの時間を計測する。
この装置は身近な素材で作ることができ、使い方も簡単である。