福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -036/042page
<課題Aの「実験群」>
A−1 音の伝わり方(音叉を水面につける)
A−2 空気中を伝わる音(音叉の共鳴)
A−3 物体を伝わる音(糸電話・バネ電話)
A−4 水中のブザー
A−5 真空中のブザー(簡易真空鈴装置)<課題Bの「実験群」>
B−1 ボイススコープで音の振動観察
B−2 オシロスコープで音の波形観察<課題Cの「実験群」>
C−1 音のおおよその速さの観測
(3) 課題選択学習の展開
生徒は、自分の学習計画に従って、実験装置のおかれている各実験台に移動して、観察・実験に取り組んだ。
生徒の課題・実験の選択例を次に示す。
生徒a 生徒b 生徒c 第1時 A−2,A−5 C−1 B−1,B−2 ↓ ↓ ↓ ↓ 第2時 B−1,B−2 B−2,A−2 A−2,A−3 ↓ ↓ ↓ ↓ 第3時 C−1 A−4,A−5 A−4,A−5
図1 「思考活動の程度」の変容 調査1 「思考活動の程度」の自己評価項目 IV 結果と考察
1 課題選択学習と思考活動との関係
図1は、調査1「思考活動の程度」の学級平均の変容を、各項目ごとに示したものである。この結果から、事前に比べ本単元では思考活動が活発に行われたことがわかった。
課題選択学習が、意欲の向上や思考活動の活発化にどのような効果があったかを、生徒の評価で調査した図2は、その結果である。
調査2「観察・実験に対する生徒の評価」
4:よくあてはまる 3:あてはまる
2:あまりあてはまらない 1:全くあてはまらない
1 次のことで、意欲が高まった。
(1) 課題と実験を選択して学習したこと。
(2) 実験群のいろいろな観察・実験を行ったこと。
2 次のことで、課題南軟のため考えることができた。
(1) 課題と実験を選択して学習したこと。
(2) 実験群のいろいろな観察・実験を行ったこと。
3 次のことは、音の理解に役立った。
(1) 課題と実験を選択して学習したこと。
(2) 実験群のいろいろな観察・実験を行ったこと。
調査2「観察・実験に対する生徒の評価」
調査2−1「意欲が高まった」調査2−2「思考が活発になった」 この結果から、80%以上の生徒が課題と実験を選択して学習したことや「実験群」のいろいろな観察・実験を行ったことを高く評価したことがわかった。
特に、課題と実験の選択は意欲の向上で評価が高い。このことは、課題を課題意識に応じて選択させたことで、個に応じた学習活動が展開でき、課題解決意欲が高まったためと思われる。
また、「実験群」の観察・実験は「考えることができた」の項目で評価が高い。このことは、多様な生徒に対応できるように「実験群」を構成したことで、生徒が自分の課題を解決する最も有効な観察・実験を選択して行うことができたためと思われる。