福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -041/042page
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簡易お風呂モデルと感熱液を使った水の温まり方の観察・実験法
教育センター科学技術教育部
蛇口からお湯が出る給湯式のお風呂が増え、“かき混ぜて湯加減を見る”必要がなくなったためか、水の温まり方を実感としてつかんでいる児童が減ってきています。そこで、湯沸かし式のお風呂モデルと、温まると色が変わる感熱液を使って、水の温まり方を観察・実験する方法を紹介します。
1 簡易お風呂モデルの作り方
(1) ゴム栓に穴をあけ、耐熱性の試験管を通す。(無理な力を加えると試験管が割れてけがをするので注意。試験管を水で濡らすとよい。)
(2) ペットボトルを用意し、底から10cm程の所をカッターナイフで切り、浴槽とする。
(3) 浴槽の側面に熱した釘を押し当てて穴をあける。さらにリーマーで穴を広げる。
(4) その穴に試験管を通したゴム栓をきつく差し込む。そのとき、試験管の底が持ち上がっていると、加熱したとき蒸気がたまってしまうので、試験管の底がやや下がるようにする。
2 感熟液の作り方
(1) 浴槽に水を入れ、でんぷん糊を加えてよくかき混ぜる。糊は接着糊でも洗濯糊でもよい。
(2) ヨウ素入りのうがい薬を、液が青紫色に変わるまで、かき混ぜながら少しずつ加える。
感熱液の材料と感熱液が入ったお風呂モデル
でんぷん糊の他主成分がポリビニルアルコールの糊でも同様にして感熱液ができる。液の色は赤茶色。この感熱液は温まると色が透明になり、冷えるとまた元の色に戻るので、水の温まり方を観察しやすい。
3 観察・実験の仕方
(1) 感熱液入りのお風呂モデルを三脚にのせ試験管の底をガスバーナーで加熱する。加熱は試験管の外側が乾いた状態で行う。
実験の様子
(2) 液の色の変化や対流の様子を観察する。
対流が観察できる (3) 上の方が透明になってきたら、静かに指を入れてみる。上のとが実感できる。
(4) 4分の1程度が透明になったら、指でかき混ぜ湯加減をみる。かき混ぜると液の色が均一になり、湯加減もちょうどよくなるのが体験できる。