川俣町の文化財 -000-03/029page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

 美しい自然に囲まれた現在の川俣町は,ここに住み幸せを求め生活してきた祖先の人たちの営みの結晶の集積であり,いわゆる幾世代にわたる文化遺産の上に成り立っております。これらの所産は後世の人々を啓発し感動させ,さらに新たな文化創造発展の契機となってきました。私たちは意識すると否とにかかわらず,これらの文化財から限りない恩恵を受け生活を成り立たせています。これからも文化財を尊重し正しい認識のもとに活用していかなければならないと思います。

 文化財といっても多種多様であり,また価値も千差万別でその調査研究は,専門的知識を要するばかりでなく長い年月が必要であります。川俣町では戦中,戦後を通じて今は亡き高橋加久吉氏,鈴木俊夫氏,渡辺吉治氏,木村章氏等を中心に,町の歴史,文化財の調査研究が統けられてきました。そして後年県考古学会長梅宮茂先生のお力添えもあり,貴重な文化財の姿が明確になってまいりました。

 このたび町文化財保護審議委員の方々のお力により,町の主な文化財を選び冊子として上梓されましたことは,川俣町文化発展のためにも誠に喜びにたえません。この冊子によって一人でも多くの町民の方々が文化財に対する理解を深められ,郷土文化の特質と伝統を象徴するものとしてこれを無に帰せしむることなく,保存保護に特段の関心とご協力を下さいますことを切にお願いいたします。

 終りに今は亡き先人の方々と調査を担当された委員の方々のご尽力に対して,深甚なる敬意と謝意を表し序文といたします。

昭和56年3月

川俣町教育委員会教育長  冨 塚 有 吉


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は川俣町教育委員会に帰属します。
川俣町教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。