川俣町の文化財 -027/029page
○ 様式
獅子舞は沢の獅子踊りといわれ,村人から親しまれてきた三匹獅子舞である。小綱木に残る歌と踊りは,田の耕しに始まって収穫までの農作業の踊りと伝えられている。踊りの振りの中にそんな姿が見られる事からいわれているのであろう。獅子は鶏の尾羽根を付けた張子製の獅子頭で,先獅子,中獅子,後獅子(雌)の三匹である。獅子頭を頭に付け,前ぼうと呼ぷ麻の布を前に下げて顔を隠す。前ぼうの模様は,浅黄茜に紺の輪違い,三条縞の染付けである。それに,藍更紗の単衣の着物に木綿縞のたっつけ袴をはき,腰に五色の梵天を茜のしごきに差しわらじを履く。そして胸に小太鼓をつけ両手に小さなばちを持つ。ささら摺りは大竹(約1.8m)の先に五大を表した五色の千本(花)と金,銀,五色の短冊を付け,右手に割竹を持ち大竹についた溝を摺りながら舞う。衣装は獅子と同じでうこんの鉢巻きをする。昔はささらは1本であったが現在は2本である。踊りの中に道化(火男)が加わり,単衣の半じゅばんを羽織り,たっつけ袴姿で扇を持って踊りの間を縫い回る。他に二人の早乙女が花笠をかぷり,単衣の着流し姿で踊りに加わる。三匹獅子は縦並びが主で横並び,三つ巴とはやし方の笛,太鼓に合せて,二匹の獅子が優雅にそして荒々しく雌師子を奪い合う。ささらの千本が花吹雪となり,道化もおどけた仕草で観客を笑わせる。○ 祭日
祭日は10月5日で,まず当番の家で腹ごしらえをし神酒を酌み装束を整えて,宿から神社まで行列し境内で舞を奉納する。その後各部落を舞い歩き翌日も部落を回り,宿に帰ってさなぷりの舞をして終る。昔,祭日は旧8月15日であったが現在は10月5日となっている。