川俣町の文化財 -026/029page

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獅子,雌獅子の3つである。この獅子舞の歌と踊りは部落ほめ,庭ほめ,さなぶりの雌獅子がくし等,獅子舞の基本的形式を残している。獅子は3匹とも鶏の尾羽根を付け,前ぼうと呼ぶ藍地にぼたんの花を染抜いた麻布をかぶり,浅黄に唐草風な染付の単衣の着物に袴をはき,白たびにわらじばきといった出立ちである。ささら摺りも同じ衣装で,大竹(約1.8m)の上部に千本(花)をさし,下部に刻目のつけられたささらを持ち,右手の割竹で刻目を摺りながら舞う。道化(火男)は一人で単衣の着物にたっつけ袴で,獅子の間を縫い回る。さなぶりには道心棒を使う。はやし方は紋付袴ではやしを受け持つ。

祭日
 10月1日の例祭には上,下組が毎年交替で獅子舞を勤めるが,当番の組の旧家が交替で宿となり,その宿を中心とした踊りの組が奉納する。まず当日は宿で腹ごしらえをした後,笛,太鼓で行列をしながら神社に行き獅子舞を奉納する。その後二日間にわたって部落を踊り巡り,最後に宿に戻ってさなぷり舞を納める。祭がすむと翌年の当番の家に,小長持の箱に記録,諸道具,衣装を入れて保管を頼む。昔,祭日は旧8月15日であったが現在は10月1日となっている。

 

小綱木 八幡神社獅子舞

〔所在地〕 川俣町小綱木字的場23番地

◎町指定無形文化財

小綱木八幡神社 獅子舞
小綱木八幡神社 獅子舞 

伝承
 同社は元禄11年戍寅(1698)3月勧請と伝えられるが,「小手風土記」には帷子堂とあり,安達郡片平村より移すと記されている。獅子舞の記録は明和4年(1767)時代のものから残されており,それ以前の記録については存在が確認されていない。同記録には獅子舞の衣装の補修の事とか,その年の豊凶,米や繭の相場等が記され貴重な資料である。


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