ふるさと川俣の名山 -005/104page

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あいさつ

川俣里山倶楽部会長 蓮沼 昇

 「緑の中に光る絹の町川俣」と、川俣町の姿を表すように、夏、朝露に輝く緑の里山の群れがまぶしく、冬、白銀に映える山脈がまぶしく、透き通る広瀬川の川面に、いくつもの山脈を映しながら、心地よい風が梢を静かにささやきながら伝い、里山が静かに目を覚ます。おおらかでいて懐かしいふるさとには、今も自然がそのままに生きています。人々は太古の昔から森林や川などの自然と、深いかかわり合いを持ちながら、今日の文明を築き上げてきました。私達の先人が育んできた里山の持つ森林の意義は、ご承知のように、防風、防塵、保水、保冷、空気の環境清浄化、地形の維持、あるいは動植物の生態系の維持と、本当に多様性を持っている上に、人類にとっては、これらの恵み以上に文明生活に欠かすことのできない資源の供給、そして人体に及ぼす環境生態学的から見ても本当に大切なものであります。そのような見地から、川俣里山倶楽部が発足し丸2年、川俣町の里山のすばらしさに触れ、どうすればこのすばらしい里山の自然を、次の世代に伝えることができるのか、あるいは皆さんに里山の大切さをもう一度見なおしてもらえるのかと、里山倶楽部の一人一人が努力をしてまいりました。そして、その結果として100%満足のいくガイドブックかどうかは、これからの課題として、里山の自然の中で、森林と人と、そして人と隣り合わせて生きてきた生き物達の命のつながりを、もう一度自然と一体となり、私達の感受性を養い、ただ単に山のガイドブックだけに終わらず、次の世代、否、もっともっと先の世代への「自然から学ぶこと」の指標となれば幸いだと思います。

平成13年6月


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