ふるさと川俣の名山 -053/104page
と云うあり。一名水雲山と言う 上古は御上山と称せり小手郷五岳の一にして男手森山と相対峡する陰場の名山なる事小手風士記に録せり」と記されている。
読人不知の古歌二首
女神山顔にもみぢの色まして
伊達に染めなす秋の錦木
女神山しけき小笹の露わけて
入りそむるより濡れる袖或
女神山頂の大石の伝説
頂点を形成する火山岩は高さ約3メートル横5メートル程の大石である。この石については、古来天から降った石だとか、日本武尊東征の際にこの山に登り、四方を眺めて腰掛けられた石だとか言い伝えられて決してこの石に登ってはならぬ。登れば必ず雨が降ると言われている。
石宮の後の雨降り石に天然の山桑が一本ある。この桑の芽を5つか6つ頂いてきて、蚕を掃きたてる最初の桑に切り混ぜると良い繭ができると言われている。
蚕が鼠に食われると、これを「夜風」といって女神の明神様に行って、御幣をお借りして途中休まずに家に帰ることになっていた。
蚕を掃きたてる頃になると女神山頂お籠りと言って山麓の主婦たち3、4人で一夜を過ごし或いは丑の刻参りを続けて養蚕への道の上達を祈願した。
秋山の駒ザクラ
女神山の南西の麓の字小長石地内にあるエドヒガンザクラに属する巨木で、周囲が畑に囲まれた草地にある。樹高約19メートル、目通り経5.4メートル、根回り5.1メートル樹齢400年以上の巨木である。この桜は昔から「八幡太郎駒止めの桜」との伝説もあり小手地方有数のサクラである。川俣町指定の天然記念物に指定されている。