ふるさと川俣の名山 -063/104page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

「太郎」とは、長男または、最も優れたものの敬称である。また、「坊」には、僧侶の居場所という意味や、男児を親しんで呼ぶ時に使うものである。

 また、「太郎坊」とは、京都の愛宕山に住む天狗であり、鞍馬山には「次郎坊」という天狗がいた。滋賀県の八日市市小脇町に「太郎坊山」(標高350メートル)があるが、ここは山岳信仰の霊地として多くの修験者を集めてきた。太郎坊天狗とは行者の守護神とされている。

 他に、富士山の御殿場口の新五合目は「太郎坊」と言われるところである。

 宮城県矢本町には、「太郎坊清水」と言われる名水が湧き出るところがある。

 これらとの関係から、「太郎坊山」の名前の由来を探ると想像の世界ではあるが、とても興味深い世界が広がると思われる。

 また、「太郎坊山」を「羽山」とも呼んでいたが、「羽山」は「端山」「麓山」とも書き、「里に近い」という意味がある。「羽山」には、村を守護する租霊が宿っており、里の子孫の生活、特に稲作農耕を守ってくれる。里人は年に一度、時を定めて精進潔斎のおこもりをし、満願の日に神社をあおいだ。旧暦の11月中旬頃とされている。

● 山開き情報

 林道がほぼ完成したことを機会に、4月の第3日曜日には、長寿泉付近で「桜祭」を行い、長寿山に登る行事が行われる。また、秋には、羽山神社下で「きのこ祭」が行われる。

● 所 感

 特に目立つ山とは思わないでいたが、珍しいアべマキの群生とその林の奇麗さは、他に見ることのできないところである。

 また、長寿山の展望は町内屈指の展望で、地球の丸さが感じられるほどの展望である。駐車場から20分ほどでこの展望が得られるので、是非とも登っていただきたい。

 また、長寿山の下にある「長寿泉」は、夏の渇水期に


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は川俣町教育委員会に帰属します。
川俣町教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。