ふるさと川俣の名山 -102/104page

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編集後記

 ある人は言う「田舎は孤独で寂しい」と。また別な人は「都会は孤独で寂しい」と。都会では人が多くにぎやかに見えるが、人口の割には、心を開いて話ができる人は少ないし、四季折々の自然との語らいは少ない。田舎は、通りを歩いていてすれ違う人には会釈を交わし、山の木々を見ては季節を感じ野の花を見ては微笑む。このような田舎は、決して孤独ではない。自然のぬくもりがある。人を育てる包容カがある。何と田舎はすばらしいことでしょう。

 川俣町を取り囲んでいる山々。人々と自然が共存する山々。この山々について麓の人々は生活に深くかかわっているために熟知している。しかし、近年の社会情勢の変化により、人々は山から足が遠のき、すぐ傍らにいながら関わりを持ち続ける人は少なくなってきている。

 そこで、川俣の山々の歴史、植物、動物、史跡などを調査しながら四季折々に山に向かえば、ふるさとの見直しと、心身の健康増進に役立つはずである。と言う趣旨のもと、平成11年3月25日に22名で「川俣里山倶楽部」が結成された。その後会員は増加の一途をたどり69名を数えるまでになった。毎月例会を開き、山に出向いたり、情報交換をしたりすること24回で、ガイドブック発行にこぎつけた次第である。

 山に登ってみてまず感じたことは、山が荒れていることであった。登山道を隠すように笹が生い茂り、藤つるが樹木に絡み、倒木が道をふさいでいる。将来の野山は笹や竹林に覆われてしまうほどに荒れている。荒れた登山道を掻き分け進んでいくと、多くの草花が可憐に咲いていた。雪の上には獣の足跡が残っ


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