伊達町町勢要覧 -006/030page

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獅子の夢

獅子

 古くは愛宕大権現と呼ばれ、この地に住む人々の鎮守を司ってきた愛宕神社。天保7(1538)年、鎮災防火の神・軻遇突智神を歓請して創建されたと伝えられます。人々は、穏やかな暮らしを願い、神に舞いを奉納しました。それが「箱崎の獅子舞」の始まり。この由縁については「ひょっとこ顔の男が愛宕大権現の御前に獅子舞を奉納すると、野獣の害を見事打ち払うことができた」という逸話も残されています。

 毎年、りんごの花が咲き誇る季節になると、高らかな囃子の音が愛宕山麓に響き渡り、愛宕神社例大祭(4月29日〜30日)が盛大にとり行われます。ここに奉納される箱崎の獅子舞。その踊法・音曲とともに習得するには並々ならぬ技量と歳月を要し、県内数か所に残る獅子舞のなかでも、特に完成度の高い芸能舞踊として知られています。

獅子舞

ひょっとこ顔の男

ひょっとこ

獅子

獅子舞

 450年以上にわたり、脈々と受け継がれてきた伝統と誇り。崇高なる郷土の文化は、いにしえよりふるさとの暮らしに根づいてきた庶民の財産でもあります。

 春風のなか華麗に舞う獅子たちの姿に、人々もまた心躍らせ、そして明るい明日への祈りを捧げます。
(『箱崎の獅子舞』福島県重要無形民族文化財指定)


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